10月1日に防災訓練 単独の地震・津波想定は4年ぶり 「最大クラス」の避難など確認
令和5年9月19日付 1面

大船渡市と大船渡地区消防組合による令和5年度市防災訓練は、10月1日(日)午前7時30分から市内全域で行われる。市単独での地震・津波を想定した訓練は、令和元年以来4年ぶり。昨年3月に県が公表した最大クラスの地震・津波と同程度の災害や、後発地震注意情報も想定に盛り込み、住民らの適切・迅速な避難行動や初動体制などを確認する。
平成23年の東日本大震災や、昨年県が公表した最大クラスの地震・津波と同程度の災害を想定。命を守る住民自身の行動をはじめ、行政等の初動体制構築、防災関係機関との連携のほか、各種通信機器の有効活用につながる訓練を実施することで、迅速な避難態勢の確立や、行政による速やかな災害対応などにつなげる。
令和2、3年の市防災訓練は、豪雨による洪水や土砂災害に備える避難行動を確認。昨年は、県と気仙3市町、大船渡地区消防組合消防本部主催の県総合防災訓練が行われ、新型コロナウイルスの感染拡大下での地震・津波、大雨による浸水害・洪水害、土砂災害を想定した。
今回は、2日前の地震で、内閣府・気象庁合同による「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表され、北海道から千葉県にかけての広い範囲で、続いて発生する巨大地震へ備える態勢がとられた──との想定で実施。
さらに「1日午前7時30分頃に、かなり強い地震が発生し、岩手県沿岸に大津波警報が発表され、市は避難指示を発令。市内各地において家屋の損壊、停電、断水等の被害が確認され地震による建物火災も発生し、延焼拡大の恐れがある」とし、避難や身を守る活動を促す。
参加人員は、約4000人を見込む。市内各地域の自主防災組織では、最大クラスの津波浸水区域を想定した訓練や、避難行動要支援者名簿の活用による避難支援、避難所運営マニュアルの活用による避難所開設訓練などが行われる。
市は今年4月、約10年ぶりに全面的な更新を行った津波ハザードマップを全戸に配布。県が公表した最大クラスの地震・津波に伴い、浸水想定が広がった地域では避難場所も見直された。市はハザードマップを目にし、自宅からの避難場所や、ルートの確認を呼びかける。
後発地震への対応も、今回の訓練を通じて周知。市防災管理室では「事前の心構えや、持ち出し用品を手にしてすぐに避難できることを確認・準備するといった行動につながれば」としている。
このほか、災害時の迅速・確実な安全確保に向けた避難や誘導、消防団安全確保の各訓練を実施。通信や職員の非常招集、災害対策本部の立ち上げなど、災害時の迅速な初動体制も確認する。地区別の被害状況伝達や監視カメラ、ドローンによる情報収集に加え、水道水の断水を想定した自然水利利用の火災防御訓練も予定している。