サッカー支援の絆末永く カナダ・ビクトリア市のビル・マクレディ、リタ夫妻 陸前高田訪問で大三FCの選手と再会(別写真あり)
令和5年9月20日付 3面

東日本大震災以降、被災地の復興を支援してきたカナダ・ビクトリア市、ビクトリア盛岡友好協会のビル・マクレディ会長、リタ夫人が17日、被災地見学のため陸前高田市を訪れた。立ち寄った高田松原運動公園第一サッカー場では、2人が支援に携わった大船渡市のサッカークラブチーム・大船渡三陸FCドルフィン(大三FC)の選手たちとも再会。マクレディ夫妻は、未曽有の災害を乗り越え、大きく成長した子どもたちの姿に目を細めながら、今後の末永い交流継続も誓った。(菅野弘大)
盛岡市と姉妹都市提携を結ぶビクトリア市。ビクトリア盛岡友好協会のマクレディ会長夫妻は、震災直後から地震、津波の被害を受けた岩手県沿岸を支援しており、平成23年5月には米崎中学校を訪れ、生徒や地域住民を励ますなど、被災地に心を寄せ続けてきた。
大三FCとのつながりは同29年、被災地と東京、インターナショナルスクールの子どもたちが、2泊3日でサッカーやアクティビティなどを通じて交流を深める目的で開催されたNadiaインターナショナルサッカーフレンドリーカップ(NISFC)に参加した大三FCの交通費を支援したことがきっかけ。マクレディ会長自身がビクトリア市を本拠地とするサッカーチームの運営に携わっていたこともあり、サッカーを通じた交流が生まれた。
今回は、盛岡市での行事に出席するために来日し、その旅の一環で陸前高田市を訪問。大三FCの中学生チームであるドルフィンに、NISFCに参加した選手が在籍していることから、同サッカー場で行われた高田第一中との練習試合を見に訪れた。
震災後に整備された同公園をじっくりと見渡しながらグラウンドに入ったマクレディ夫妻。29、30年とNISFCに参加した大三FCの米沢遊月さん(東朋中3年)と、30年に参加した舘脇悠さん(同)光さん(同2年)兄弟の3人と対面し、立派な成長ぶりに笑顔を見せた。選手たちがプレーする様子も見学し「うまい、うまい」と拍手を送った。
米沢さんは「NISFCでは、他国の選手と一緒にプレーでき、楽しかったことを覚えている。皆さんの支援のおかげで、今サッカーができている。ありがとうございます」と感謝を述べた。
マクレディ会長は「皆さんをサポートでき、皆さんの良い思い出を作れてうれしく思う。いつかビクトリアのサッカーチームを連れて来たいし、逆に皆さんを招待して試合ができたらいいね」と呼びかけ、リタ夫人がカナダからのお土産を両チームの選手にプレゼント。最後にがっちりと握手を交わし、また会う日を心待ちにした様子だった。