30日に初の「雪っこまつり」 酔仙酒造大船渡蔵で 震災後初のイベント開催へ 恒例の出荷式も一般公開

▲ 酔仙酒造が30日に初企画の「雪っこまつり」を開催

 陸前高田市の酔仙酒造㈱(金野連代表取締役社長)は、30日(土)午前10時から大船渡市猪川町の大船渡蔵で、初企画のイベント「雪っこまつり」を開催する。同社の冬季限定商品「活性原酒雪っこ」の出荷式に合わせて行うもので、雪っこの無料振る舞いや利き酒大会、地元グルメなどの販売を計画。同社にとっては東日本大震災後初の自社イベントとなり、「雪っこや旬の酒を味わって」と多くの来場を呼びかけている。(三浦佳恵)

 

 同社は平成23年の震災で陸前高田市高田町にあった国登録有形文化財の社屋、工場、酒蔵を全て流失。従業員7人が犠牲となった。
 その後、24年に大船渡市猪川町に新工場「大船渡蔵」を整備し、新天地での酒造りをスタート。同年10月には、看板商品の雪っこを同蔵から初めて出荷した。
 雪っこの初出荷式は例年、日本酒造組合中央会が日本酒(清酒)の普及を推進しようと定めた『日本酒の日』の10月1日に実施。今年は同日が日曜日に当たることから式を1日繰り上げ、新たなファンを開拓し、まちのにぎわい創出や観光振興に貢献しようと、初のイベントを企画した。
 同市観光物産協会や県飲食業生活衛生同業組合の高田、大船渡両支部、盛青年商工会が後援。さいとう製菓㈱が協賛する。
 当日はまつりに先立ち、午前9時から初出荷式を開催。神事や杉玉交換などの式の様子を初めて一般に公開する。
 まつりでは乾杯を行い、完成したばかりの雪っこの無料振る舞いをはじめ、同社の大吟醸や旬の酒など数種類を味わえる有料試飲、利き酒大会、焼きサンマ100匹の無料提供を計画。フード&ドリンクコーナーも設け、ホタテ焼き、アユの塩焼き、焼き鳥、蒸しホヤ、鳥ハラミ焼き、塩焼きそば、ソフトドリンクを販売する。
 開催は午後4時までで、小雨決行。荒天などで中止する場合は、前日に同社ホームページ(https://suisenshuzo.jp/)で案内する。初出荷式の見学、まつりの参加は無料。
 同社では、飲酒運転の防止に協力を求めている。会場や周辺に駐車場は設けず、無料シャトルバスの利用を呼びかける。バスは、大船渡町のキャッセン大船渡、盛町のカメリアホール前を経由するもので、キャッセンからの大船渡蔵行きは午前8時30分から、同蔵発は同9時20分から運行する。
 同社は「おかげさまで地域の皆さまに支えられ、大船渡蔵で震災後初のイベントが開催できる。日本酒のよりおいしい時期を迎え、新酒の雪っこや旬の酒をさかなと一緒に楽しんでほしい」と話している。
 シャトルバスの運行時間など、詳細は同社ホームページなどから確認を。問い合わせも同社(℡47・4130)へ。