滝観洞周辺の魅力発信を 住田観光開発が本格的ケイビング体験展開へ 白蓮洞支道を新ガイドコースに選定(別写真あり)
令和5年9月27日付 7面

住田町上有住の滝観洞を管理する住田観光開発㈱は、滝観洞観光センター近くにある白蓮洞支道を新たなガイドコースに選定した。本格的なケイビング(洞窟探検)体験の展開に向け、関係者らが24日、内部を視察。長い年月をかけて形成された自然の造形美を多くの人に楽しんでもらおうと、体験コースの検討や安全対策確認を行った。(清水辰彦)
同社が運営する滝観洞観光センターは現在、町による受付棟の新築工事が行われており、来年度から供用開始される予定。
新たなガイドコースの選定は、新受付棟のオープンに合わせ、滝観洞とその周辺の魅力を発信し、国内外からのさらなる誘客を図るのが狙い。観光庁による本年度の「インバウンドの地方誘客や消費拡大に向けた観光コンテンツ造成支援事業」に採択され、実施している。
24日は、同社の千葉孝文常務、観光の各種受け入れ環境整備事業などを展開している㈱インアウトバウンド仙台・松島の社員、ケイビング団体・東山ケイビングクラブ(一関市)の菊地敏雄代表の計4人が参加した。
新たなガイドコースとする白蓮洞支道は、気仙川を挟んで滝観洞の対岸に位置する。滝観洞にほど近い距離にありながらも、滝観洞とは異なった様相を呈す。
縦方向に道が続く滝観洞と違い、奥部には左右に広いドームのような空間が広がっており、珍しい鍾乳石や洞窟サンゴ、幅1㍍ほどのクレバス、透き通った「地底湖」なども見られる。
一行は菊地代表の解説を受けながら現地を視察し、〝見せ場〟も含めた体験コースの順路などを検討。これまでも、滝観洞内で「プチケイビング」を行ってきたが、新ガイドコースはロープを使って降りたり、道を進んでいくと光が届かない暗闇が広がるなど、より本格的なケイビングが楽しめることを確認した。
同社は今後、モニターツアーも行いながらコースのブラッシュアップを図り、来年度の新施設オープン後にケイビング体験コースとしての公開を目指している。
公開後にガイドを務める千葉常務は「体験型の観光が注目されている今、多くの人に洞窟探検を楽しんでもらい、滝観洞とその周辺の魅力を知ってほしい」と話していた。