4年度決算認定し閉会 大船渡市議会9月定例会 本年度補正予算も可決
令和5年9月27日付 1面

大船渡市議会9月定例会は26日に最終本会議が開かれ、令和4年度一般会計や各種特別会計決算を認定したほか、本年度一般会計補正予算をはじめ当局提案議案11件を可決し、閉会した。一般会計は、前年度繰越金の確定による財政調整基金積立金や庁舎整備基金積立金などを盛り込んだことで3億4462万円を増額し、歳入・歳出総額は230億802万円となった。
議長を除く全19議員で構成する決算審査特別委員会(熊谷昭浩委員長)が20、21日に審査し、認定・可決したのは一般会計と魚市場事業、介護保険(介護サービス、保険)、後期高齢者医療、国民健康保険(事業勘定、診療施設勘定)の各特別会計、簡易水道、下水道、水道の各事業会計、水道事業会計未処分利益剰余金処分議案の1件。
4年度決算のうち、一般会計の歳入は249億2122万円(同3・2%増、執行率97・7%)、歳出は242億1896万円(同4・4%増、同94・9%)。実質単年度収支は、4億4430万円の赤字となった。
同会計と各特別会計を合わせた決算総額は、歳入344億2101万円(前年度比1・8%増)、歳出は334億8547万円(同2・7%増)。歳入から歳出を引いた形式収支は9億3554万円の黒字となった。
本会議では、佐藤優子議員(光政会)が一般会計に対して反対討論。小中学校における図書購入費が国が定める額よりも少ない状況や、三陸町越喜来の甫嶺復興交流推進センターで当初計画よりも利用料金収入が大きく下回った実績などを反対の理由に挙げた。委員会採決と同様、一般会計は賛成多数、その他は全員賛成で認定・可決された。
本年度一般会計補正予算の主な歳出は、財政調整基金積立金2億5000万円、庁舎整備基金積立金5000万円、地域情報通信基盤推進事業730万円、道路・河川等維持補修事業2890万円となっている。
市によると、財政調整基金の4年度末残高は約40億円。前年度の繰越金の約半分を積み立てる財政調整基金は当初予算に1億円を計上しており、補正分を合わせ計3億5000万円を積み立てる一方、本年度は取り崩し額が上回り、現時点では年度末で36億円台となる見込み。
庁舎整備基金積立金は、令和元年度の3億円を皮切りとして、翌年度以降は1億円ずつ積み増し、11年度に13億円とする方針。5年度も当初計上していた5000万円と合わせ、計画通り進める。庁舎整備に関する検討は未着手となっている。
また、議員発議案「ゆたかな学びの実現・教職員定数の改善及び義務教育費国庫負担制度拡充に係る意見書」(提出者・東堅市議員)は、賛成少数で否決。起立採決の際、賛否が拮抗したため、録画映像による確認も行われた。