サポート付き在宅ワーク実験2年目 働き手200人確保目指す 東京の一般社団法人が陸前高田など全国10地域で実施
令和5年9月27日付 1面
一般社団法人ソーシャルビジネス・ネットワーク(東京都、町野弘明代表理事)は本年度、陸前高田市を含む全国10地域で、サポートを受けながら在宅ワークに取り組める「ユニバーサル・クラウドソーシング・サービス」事業の実証実験を展開している。昨年度始まり、2年目の取り組み。初年度の成果を踏まえ、本年度は在宅ワーカーに業務を発注する企業の掘り起こしに乗り出し、ワーカーは計200人の確保を目指す。同法人は来年度からの本格運用を目標に掲げており、企業と多様な理由で働きづらさを抱える人双方にメリットがある仕組みとしての浸透に期待が集まる。(高橋 信)
クラウドソーシングは、インターネットを通じて企業が仕事を発注(アウトソーシング)し、不特定多数の個人が受ける仕組み。
実験は、全国約200社のソーシャルビジネス事業者のネットワーク組織である同法人が、経産省の「地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業補助金」の採択を受けて実施。全国11万人の在宅ワーク会員を持つ㈱キャリア・マム(東京都、堤香苗代表取締役)が提携企業として連携している。
本年度は6月に始動し、実施地域を昨年度より2倍の10地域(陸前高田市、北海道札幌市、神奈川県横浜市など)に拡大。陸前高田市では、同市の一般社団法人スナフキン・アンサンブル(石井優太代表理事)が、実験運営側と地元の在宅ワーカーを結ぶサポート組織を担っている。
今月25日は、実験の事務局や東北経済産業局職員ら8人が、スナフキン・アンサンブルが運営する矢作町の市ユニバーサル就労支援センターに集まり、昨年度の成果や本年度の計画を確認。昨年度体験した在宅ワーカー3人とオンラインで結び、意見交換も行った。
在宅ワーカーは、スポーツ実況の文字起こしやレシート内容のデータ入力など手掛けた業務を報告。いずれも「本年度も継続してやりたい」と意欲を示した。
ソーシャルビジネス・ネットワークによると、昨年度体験したワーカーは全国5地域で98人。ワーカー向けのアンケート(29人回答)では、やりがいや達成感について「非常に感じた」「やや感じた」と答えた人の割合は86・2%だった。
昨年度はキャリアマムを通じ、同社の顧客企業から業務の提供を受けたが、本年度は実験地域などでの企業開拓に力を入れ、業務発注5社確保を目指す。ワーカーの増員にも取り組む。
企業側にとっては、繁忙期の業務負担軽減やコスト削減などのメリットが見込まれる。一方で、障害やさまざまな理由から対面で働きづらい人や、育児、介護のため働くことをあきらめた人にとっては、就労支援組織のサポートを受けながら住み慣れた地域で仕事ができる仕組みとなっており、定着するか今後の行方が注目される。
同法人の石井綾事務局長(54)は「オンラインでワーカーから生の声を聞くことができ、とても参考になった。在宅ワークのみでも生活していけるような社会になれば、働きづらさを抱える人の安心にもつながる。ハードルは非常に高いが、来年度の事業の自立化を見据えながら取り組んでいきたい」と力を込める。
実証実験のイメージは別図。同法人は、気仙地域で在宅ワーカー向けに業務を発注する企業や自治体などを募集している。業務例は文章の校正、文字起こし、データ入力、営業電話、写真撮影など。
問い合わせは、市ユニバーサル就労支援センター(℡22・8465、メールinfo@uwc-rikuzentakata.net)へ。






