梯子虎舞も練習盛ん 8日に黒崎神社式年大祭(動画、別写真あり)

▲ はしごの最上部まで上り、青空に映える根岬梯子虎舞

 陸前高田市広田町で8日(日)に開かれる黒崎神社(小松裕一宮司)の式年例大祭に向け、地元に伝わる郷土芸能などの練習が佳境を迎えている。
 同町根岬地区で連綿と受け継がれる市の無形民俗文化財「根岬梯子虎舞」。同神社正面の鳥居前に長さ20㍍のはしごが設置され、練習は9月上旬に本格化した。虎舞組の関係者が連日、現地に集まり、動きを確認している。
 3日は唐獅子や才坊係の10人ほどが参加。はしごの最上部まで上がり、軽快な舞を披露すると、地元の介護施設利用者ら見学者約20人は拍手しながら、「すごい」「ブラボー」などと興奮の声を上げた。
 同町のデイサービス「しおさいの家」に通う佐々木喜代子さん(87)は「しばらくぶりに見たけど、胸が打たれた。根岬の虎舞は迫力満点でやはりいい」と、揺れるはしごの上で繰り広げられる演舞を笑顔で見上げた。
 同神社の式年例大祭は、無病息災や五穀豊穣、大漁などを祈願する4年に1度の祭事。東日本大震災が発生した平成23年は、町内の多くの地域が被災したことから開催が危ぶまれたが、外部からのサポートを受けて「復興祈願祭」として行われ、活気を呼び込んだ。
 今回は、喜多、根岬、中沢浜、泊、中央、大陽、小袖、長洞の8祭組がすべて参加する。当日は午前8時35分から各祭組の奉納が順次行われる。
 駐車場は広田地区コミュニティセンターの利用を呼びかけ、同8時から午後4時までの間、同コミセンと神社間の無料シャトルバスを運行する。
 小松宮司は「お祭りは当日だけではなく、練習や準備などすべてが含まれる。地域の団結力を高め、広田が一つになる機会になればいい」と力を込める。