「令和7年5月」で変更なし 中心市街地のホテルオープン時期 市が見通し示す 共立メンテナンス社が建設
令和5年10月6日付 1面

陸前高田市は5日の市議会定例会で、㈱共立メンテナンス(本社・東京都)が高田町の中心市街地で計画しているホテル建設の本格オープン時期について、「令和7年5月の予定から変更はない」との見通しを示した。佐々木拓市長は「今後も共立メンテナンス社と綿密に連絡を取り合いながら、事業の推進を支援していきたい」と意欲を語った。(高橋 信、2面に一般質問の主なやり取り)
ホテル建設は、同日行われた市議会定例会の一般質問で、伊藤明彦議員(無所属)が取り上げた。建設事業化の正式決定後、市による会社への要望や取り組み、今後の見通しを尋ねた。
市は通過型観光からの脱却を目指し、ホテル誘致を推進。令和2年3月、共立メンテナンスとホテル建設にかかる覚書を締結した。
同社は当初、令和4年のオープンを計画していたが、新型コロナウイルス禍や物価高騰の影響を受け、建設スケジュールを見直した。今年3月までに建設を正式決定し、7年2月のプレオープンを経て、同年5月にグランドオープンすると計画を改めた。
ホテルの仮称は「ドーミーインエクスプレス陸前高田」。鉄骨造3階建て、客室数は136室で、これら施設概要に関しても現時点で変更はない。市は大浴場に使用するため、黒崎温泉からの湯の運搬方法などを協議している。
佐々木市長は建設の正式決定を受け、今年5月、同社の東京本社を訪問。これまでの支援と建設に対する謝意を役員に伝えたという。
訪問を振り返り、市長は「会社からは、早期建設に向けて引き続き手続きを進める旨の発言をいただいた。これにより明確に建設の約束をいただいたと考えている」との認識を示した。
また、市長は「この間、施設の計画などについて変更が生じていないと聞いているため、市側から特段の要望は行っていない」と説明。「ホテル建設は地域経済の発展や交流人口拡大に大きく寄与するもので、市民の期待も大きい。事業が円滑に進むよう庁内関係各課で連携しながら対応していきたい」と述べた。
再質問で伊藤議員は「市と会社との信頼関係で事業が進む。日本を代表する企業であり、今後も深いつながりを持つことが肝要。まちの活性化を図るためにも、市長の熱意を会社側に十分に伝えることが重要だ」と、ホテル建設に対する市長の思いに迫った。
これに対し、市長は「市におけるホテル建設の重要性、市民や観光・飲食業者らが大きな期待を抱いているということを丁寧に説明したつもり。その結果、先方に好意を持って対応してもらい、前向きな意向が伝わってきた。今後も良好な関係でいくと思っている」と述べた。