広田に活気呼び込む 黒崎神社の式年例大祭 町内8祭組が芸能奉納
令和5年10月9日付 7面
陸前高田市広田町に鎮座する黒崎神社(小松裕一宮司)の式年例大祭は8日、同神社一帯で挙行された。8祭組が参加し、市の無形民俗文化財「根岬梯子虎舞」をはじめ、地域に伝わる伝統芸能や手踊りを奉納。秋晴れの下、多くの見物客が集まり、活気に包まれた。(高橋 信)
祭典実行委(菅野德一委員長)が主催。喜多、根岬、中沢浜、泊、中央、大陽、小袖、長洞の町内8祭組がすべて参加した。
大きな盛り上がりをみせた根岬梯子虎舞は、唐獅子、才坊振り、太鼓、笛の祭組メンバー約50人が出演。長さ約20㍍、計49段の梯子を舞台に命綱無しで勇壮な舞を繰り広げると、絶え間ない拍手が響いた。
唐獅子として舞う「頭使い」を務めた鈴木駿太さん(33)は「恐怖はあったが、声援のおかげでやり遂げることができ、ほっとしている。虎舞は根岬の誇り。人数は減っているが、なんとか継承していきたい」と力を込めた。
8祭組のトップバッターとして市指定の無形民俗文化財「広田御祝い」を披露した長洞祭組の齊藤春貴さん(27)は「すがすがしい天気の中でトップバッターを務め、気分がいい。多くの人が集まり、やはり祭りは活気があっていいですね」と笑顔だった。
昼には、同神社から神輿渡御の行列が出発。黒崎仙峡温泉前の海岸まで練り歩き、海の安全と地域の平穏を願った。
同神社の式年例大祭は、無病息災や五穀豊穣、大漁などを祈願する4年に1度の祭事。東日本大震災が発生した23年は、町内の多くの地域が被災したことから開催が危ぶまれたが、「復興祈願祭」として行われた。
菅野委員長(78)は「天気に恵まれ、良かった。人口減、少子高齢化で地方の衰退が叫ばれている。4年に1度のお祭りを通じて広田町民が一致団結し、地域を盛り上げていこうという思いを新たにするきっかけになればいい」と願いを込めた。






