越喜来でオフロード走行を Uターンの中村さんが被災跡地で計画 「何もない土地から活気を」と意欲

▲ 被災跡地の利活用に意欲を見せる中村さん㊨

 大船渡市三陸町越喜来の中村晃也さん(62)は、東日本大震災で被災した越喜来の低地部を生かし、四輪車でオフロード走行が体験できるコース整備に向けた活動を進めている。一昨年にUターンし、手つかずのままでいた防潮堤沿いの平場を生かそうと行動。子どもたちがドローン操作を体験できる空間も設ける。年内オープンに向けてクラウドファンディングを始めたほか、年明けにはキャンプ場なども整え、被災跡地の活気創出や観光振興を目指す。(佐藤 壮)

 

 40年余り地元を離れ、運送業などを営んでいた越喜来出身の中村さんは、一昨年7月、古里に戻ってきた。「盆や正月に帰ってきた時期はあまり考えなかったが、住むようになり、変化がない土地の風景が気になるようになった」と語る。
 整備を予定しているのは、杉下地内の浦浜地区緑地広場(愛称・ど根性ポプラ広場)東側に広がる被災跡地の民有地1000坪超。もともと、オフロード走行を趣味としていた中、土地の形状をあまり変えない活用策として思い付き、所有者から理解を得た。
 近くにある建設残土を活用して高低差3㍍、傾斜30度のアップダウンコースを整備するほか、丸太コースやV字溝なども設ける予定。「ジムニー」などのオフロードに適した車両の持ち込みに加え、レンタル車両も用意し、幅広い人々が運転できる環境を目指す。スピードよりも、公道では味わえない乗り心地を楽しんでもらう。
 さらに、子どもたちをはじめとしたドローン体験も受け付ける。防潮堤を越えた先に広がる越喜来湾をはじめ、上空ならではの風景に触れる場を設け、幅広い世代の来場を目指す。キャンプ場整備も進め、地元産の海産物を味わえる環境や、いかだ制作など海を生かした体験機会の創出、ど根性ポプラ広場との連動に意欲を見せる。
 近く整備が本格化し、年内オープンを目指す。中村さんは「今、何かをしなければ、過疎化の波にのまれてしまう。何もない場所から活気を。子どもたちがドローンに触れ、将来の仕事や趣味に生かしてほしい。新しいことを興し、喜びをもたらす越喜来に。自然に恵まれた越喜来に来てもらう観光体験施設の一つになりたい」と力を込める。
 昨年度、大船渡商工会議所が主催する大船渡ビジネスアカデミーを受講したほか、レンタル車両などの充実に向け、クラウドファンディングにも挑戦。専用サイト・レディーフォーで「三陸4×4ドローンパーク・キャンプ」と銘打ち、11月25日(土)まで協力を呼びかけている。
 問い合わせは中村さんのメール(kouyanakamura64@gmail.com)へ。