振興に向けた手筋探る 第8回「碁石海岸で囲碁まつり」開幕 あすまで多彩な催し展開
令和5年10月15日付 6面
「碁石」の地名を生かした大船渡市の振興を目指そうという、第8回「碁石海岸囲碁まつり」(同実行委など主催)は14日に開幕した。初日は盛町のリアスホールで開会式や記念フォーラム、「囲碁神社」として発信する末崎町字中森の熊野神社(志田隆人宮司)での音楽イベントなどが行われた。関連行事は16日(月)まで市内で繰り広げられ、地域の活性化に向けた手筋を探る。
同まつりは、「昭和の名棋士」と称された木谷實九段(故人)を父に持つ木谷正道さん(75)=神奈川県平塚市=ら、東日本大震災の復興支援活動でつながった市内外の有志が、碁石の名を復興と振興に生かす「囲碁のまちづくり」の柱として平成26年に始め、回数を重ねてきた。
開会式で、実行委代表の木谷さんは「9年前に初めて大船渡に来たことがきのうのよう。これからも皆さんと協力しながら、振興のためできる限りのことをしていきたい」とあいさつ。来賓の渕上清市長は「囲碁まつりが交流人口の架け橋となっていることを実感する。醍醐味を存分に味わってほしい」と歓迎した。
信田成仁日本棋院七段がくす玉を割って開幕を告げたあと、「大船渡の持続的振興をめざして」をテーマとした記念フォーラムを開催。同市出身で元宮城県知事の浅野史郎さんがオンラインでコーディネーターを務め、パネリストとして木谷さん、誰でも囲碁大会実行委員長の柿島光晴さん、岡田結美子日本棋院六段、碁石地区復興まちづくり協議会長の大和田東江さん、末崎町出身のシンガーソングライター・濱守栄子さんら、まつりに携わる人々が登壇した。
大船渡の魅力をはじめ、過去のまつりや同市での棋聖戦と本因坊戦開催といった取り組みについて語り合いながら、今後の振興に向けた「次の一手」へのアイデアを語り合った。
会場ではこのほか、シンガーソングライター・大石亜矢子さん、バイオリニストの白井崇陽さん、和太鼓の片岡亮太さんの全盲奏者3人などによるコンサートも繰り広げられた。
熊野神社では、夕方から「鎮魂と希望の竹灯り音楽祭」や海鮮バーベキューが行われ、開会式に参加したアーティストや神社近くの鮮魚シタボも協力。音楽と食を通じて来場者がにぎやかに交流した。
15日は、大船渡町のおおふなぽーとが会場。▽誰でも囲碁大会(午前9時30分~午後4時)▽高橋よう子さんちりめん細工展と制作講習会(午前9時30分~同4時30分、講習会参加は締め切り)▽記念コンサート(正午~午後1時)――を行う。
問い合わせは、木谷さん(℡080・7991・4761)または大和田さん(℡090・8250・3085)へ。