ニーズに応じた移動の足に グリスロ「モビタ」 平日2路線のルート変更

▲ 昨年度行われた今泉地区高台を回る試乗会の様子。今月から新ルートで運行している

 陸前高田市の一般社団法人・陸前高田グリーンスローモビリティは今月、環境に優しい電動ミニバスのグリーンスローモビリティ「モビタ」の平日便運行ダイヤを改正した。平日は買い物などの市民の足として、休日は観光客の市内周遊手段として、市が昨年度車両を購入し、運行2年目を迎えた。平日2路線のうち、気仙町・今泉団地循環線は東日本大震災後整備された高台も回るルートに変更し、もう一つの高田町・中田団地循環線は停留所を一つ加え、地域ニーズに応じたダイヤを編成した。(高橋 信)

 

 グリスロは、時速20㌔未満で公道を走行できる電動モビリティを指す。市は昨年度2台を購入し、同法人が市から車両の無償貸与を受けて運行を担っている。
 平日便の運賃は、1乗車につき100円(未就学児、障害者手帳を持っている人は無料)。災害公営住宅の気仙町・今泉団地、高田町・中田団地の2カ所と商業施設、市役所、駅とを結ぶルートで、基本的に毎週月~水曜日の週3日走らせている。便数は9月まで2路線ともに1日4便だったが、ルート変更に伴い、1便当たりの所要時間がおよそ30分長くなったことから、3便に減らした。
 今泉団地循環線は、▽同団地▽アバッセたかた▽陸前高田駅▽市役所──を回っていたが、新たに「今泉地区コミュニティセンター」「龍泉寺・気仙保育所前」「三本松公園」を停留所に追加した。
 同地区の高台に住む住民から「停留所の今泉団地まで歩いて行けない」との声が上がり、高台も走る経路に切り替えた。高低差のある新ルートを充電した電力で走りきれるか試乗会などを重ね、変更に踏み切った。
 中田団地循環線の従来停留所は、▽同団地▽イオンスーパーセンター陸前高田店▽陸前高田駅──。今月から「市役所」「アバッセたかた」を加え、買い物などがより便利になった。
 一方、休日便は500円で1日乗り放題。▽道の駅高田松原▽カモシー▽ワタミオーガニックランド▽アバッセたかた▽陸前高田駅──の停留所は変えていないが、震災復旧中の旧吉田家住宅主屋や昨年開館した市立博物館などを観光客にPRしようと、一部ルートを変更した。
 ゆっくりと走行する車内で、景色とともに楽しむドライバーのガイド、同乗者間の会話が魅力の一つ。昨年度からドライバーを務める高田町の太田実さん(73)は「いろいろな乗客とコミュニケーションを取れてとても楽しい。ルート変更後、乗客も喜んでくれて何よりだ」とやりがいを語る。
 市によると、昨年度の乗客数は4156人。内訳は平日便1290人、休日便2866人だった。市はモビタとは別に、9月、高田松原津波復興祈念公園内などで自動運転車の走行実験にも取り組んだ。
 陸前高田グリーンスローモビリティのスタッフは「平日は地域の足として公共交通を補完できるよう利便性を高めていきたい。休日便は観光客から好評を得ており、観光振興、交流人口拡大につながっていると捉えている」と話す。
 新ダイヤの時刻表や月別の運行日は、同法人のフェイスブックページで確認できる。運行に関する問い合わせは、同法人(℡53・2612)へ。