白熱のレース 甫嶺に活気 BMXの全国シリーズ戦 地道な活動実り待望の開催(別写真あり)
令和5年10月24日付 7面

一般社団法人全日本BMX連盟による「大東建託シリーズ第7戦」が22日、大船渡市三陸町越喜来甫嶺の「三陸BMXスタジアムBridge Crawレーシングサーキット」で開かれた。同サーキットでは初となる全国規模の大会で、地元内外の選手延べ160人余りが各レースに挑んだほか、選手の父母らも駆けつけ、1000人近い動員に。多彩な出店もあり、全国の愛好者が笑顔を交わす待望の活気に包まれた。(佐藤 壮)
東北では初めて
グラウンドでは出店コーナーもあり、活気を呼び込んだ
年間ランキングや日本代表強化選手の選考などに反映される同シリーズは年8回開催され、東北エリアでの開催は初めて。この日は小中学生らの各年代別や国内トップクラスの選手によるレースが組まれ、3本を走る予選や順位を決める決勝が繰り広げられた。
高さ5・5㍍のスタートヒルを飛び出したカラフルな装備の選手たちが、三陸の海をバックに快走。全長350㍍のコースでスリリングな試合展開が続いた。
出場した滋賀県大津市の稗田羽優斗さん(11)は「初めてのコースで(最初のカーブとなる)第1バームはインとアウトがクロスするのが難しかった。スタートゲートが電動で他のコースと違った動きをするから慣れが必要だけど、また来たい」と語り、笑顔を見せた。
父の祐士さん(51)は「東日本大震災の被災地の状況も見せたいと思い、公式練習前に来て、陸前高田市も回った。このスタジアムは思っていたよりも温暖で、何よりもスタッフが温かい。トイレをはじめ雨をしのげる施設も近くにあり、他のコースよりも便利な印象」と話していた。
統合に伴い閉校した旧甫嶺小学校グラウンドを生かし、国際基準を満たすレースコースや本格的フリースタイルパークとして認知度が高まっている三陸BMXスタジアムは、合同会社TXF(福山宏代表社員)が運営を担い、令和2年にオープン。コースは橋爪商事㈱がネーミングライツを取得し、岩手、宮城両県などの選手育成を続けてきた。
大会には、クラブチームに所属する地元の子どもたちもエントリー。国内トップレベルの選手たちに勝負を挑んで刺激を受けながら、さらなる成長を誓った。
会場内では市内外の飲食業者による出店も。スポンサーとなっている地元事業所もブースを設け、全国各地から集まった選手や関係者をもてなした。
観戦に訪れた渕上清市長は「非常に今後の伸びしろがある競技。子どもたちの選択肢が広がり、まちの活性化にもつながれば」と話し、さらなるにぎわい創出への期待を込めていた。