祭組の余興奉納 練習佳境 28日に式年大祭催行 米崎町松峰・天照御祖神社
令和5年10月25日付 7面

陸前高田市米崎町松峰に鎮座する天照御祖神社(松峯誠和宮司)の式年大祭は、28日(土)に催行される。当日は三つの祭組が余興を奉納する予定。本番まで1週間を切った中、各祭組では余興の練習が佳境を迎えており、伝統行事成功に向けて心を一つにしている。(阿部仁志)
式年大祭は、五穀豊穣や家内安全、大漁などを祈願する4年に1度の行事。震災前の平成19年は、6地区の祭組が参加し、虎舞や獅子舞、手踊りなどの余興を奉納した。
東日本大震災の大津波が発生した23年は、余興で使う道具類が浸水する被害を受けた祭組もあり中止。27年は、「上浜田」「下浜田」「脇の沢」の3祭組の参加で8年ぶりに大祭を執り行い、前回の令和元年は、漁港での曳船(海上渡御)を初めて行程に盛り込んだ。
今年も3祭組が参加。前回と同様に、社殿や御旅所(脇之沢漁港、米崎小)での祭儀や余興奉納、神輿渡御、海上渡御を行う。
このうち、下浜田祭組(熊谷千洋代表)は、地区住民100人余りが参加し、余興で虎舞を披露する。
その練習は今月1日から始まり、週5回のペースで実施。23日夜は米崎小の体育館に約70人が集まり、虎と才坊振り、太鼓と笛の囃子のメンバーが、通し練習をしながら練度を上げた。
虎役は、大人だけでなく、幼いころから親しんでいる小学生らも参加。5体の虎や幅広い世代の才坊振りが体を大きく動かしながら勇壮に舞い、囃子のメンバーも力強い音色を響かせた。
同祭組の練習は26日まで行われる予定。熊谷代表(74)は「なかなか全員そろっての練習ができていないが、当日は悔いの残らないよう、みんなで最後までやりきる」と誓う。
式年大祭実行委員会の金野茂実行委員長(77)は「震災後に米崎へ移り住んだ家庭の子どもたちにも参加してもらえてありがたい。少子高齢化などで参加者が減り、手踊りを今年も復活させられないことは残念だが、多くの人の記憶に残る一日になってほしい」と願う。
大祭当日は、午前8時から神社社殿で例大祭の祭儀を、同8時45分から各祭組が奉納を行う。その後、同10時から脇之沢漁港で、午後0時30分から米崎小で御旅所祭と余興奉納を実施。同漁港での海上渡御は午前10時30分からを予定。雨天時は29日(日)に順延する。