今年も交流と再会の場に 11月に東京タワー・大船渡さんまDay 炭火焼き999匹を有料販売

▲ 来場を広く呼びかけるポスターが完成

 大船渡市のNPO法人絆プロジェクト三陸(佐藤健理事長)による「東京タワー・大船渡さんまDay」が、11月12日(日)午前10時~午後2時に東京都港区の東京タワー正面口付近で開かれる。市民や市内外の「さんま焼き師」の各有志が準備を進め、サンマ999匹やホタテの炭火焼きを有料で販売。首都圏在住者はもちろん、出身者や大船渡とつながりがある人々らの来訪に期待を込める。(佐藤 壮)

 

 「さんまDay」は昨年に続く開催。平成21年から11回開催された三陸・大船渡東京タワーさんままつりの実行委員会が解散したことを受け、運営に参画してきた有志らが、これまでの交流を生かした継続を求めた。東日本大震災後、大阪でのサンマまつりなどで実績がある絆プロジェクト三陸が主催を担った。
 東京タワーの高さ333㍍にちなみ、炭火の焼き台3台でサンマ各333匹焼き上げた。有料販売に加え、事前に募ったクラウドファンディングの協力者に無料で振る舞った。
 本州一の水揚げを誇る大船渡産を楽しみにしていた首都圏在住者だけでなく、コロナ禍で帰省機会が減っていた市出身者の姿も。復興支援で市関係者らと交流を深めた団体関係者の来訪もあり、大船渡を思うさまざまな人が集い、にぎわいが生まれた。
 好評を博したことから、今年も東日本大震災からの復興支援や応援を受けた感謝の思いを込めて企画。当日、会場では市民有志に加え、市観光物産協会が認定している「さんま焼き師」が運営にあたる。
 同市の鎌田水産㈱(鎌田仁社長)の協力を受け、今年も999匹を用意。大船渡から直送した生サンマを炭火でじっくりと焼き上げ、オレンジ色の鉄塔全体に香ばしさを広げる。
 今年は1匹650円、2匹1000円で提供。「さんままつり」時代は無料で提供していたが、不漁や燃料費・関係費用の高騰で継続できなくなった状況を踏まえ、会場での収入から持続可能な形を目指す。
 焼きホタテも400枚用意し、焼きサンマ付きのセットとして1200円で提供。おにぎりの販売も計画している。
 今年はアカペラユニットのXUXU(シュシュ)が「かもめの玉子」をはじめとした物産販売コーナーを用意。XUXUは正午からのステージイベントにも登場する。
 さらに、さかなグルメのまち大船渡実行委員会や酔仙酒造の出店に加え、首都圏さんりく大船渡人会が「さんまつみれ汁」の販売を計画している。
 会場では、7月に大雨で甚大な被害を受けた秋田県の被災地支援に向けた募金活動も展開。会場運営費で余剰金が出た場合も寄付する。
 絆プロジェクト三陸では「首都圏に大船渡産のおいしいサンマを届けるとともに、出身者やゆかりがある方々が交流や再会を楽しむ場になれば」としている。