「考える人」像 到着 市立博物館 3日から展示
令和5年11月1日付 7面

陸前高田市高田町の市立博物館(松坂泰盛館長)で10月31日、フランスの彫刻家オーギュスト・ロダンの代表作「考える人」の搬入作業が行われた。所蔵する名古屋市博物館の改修工事の間、友好館である市立博物館に貸し出されることとなった。同館は2日(木)まで臨時休館し、3日(金・祝)に展示が始まる。
搬入作業は午前10時30分ごろに始まり、午後4時ごろ完了。1階常設展示室入り口前の展示ロビーに置かれた。
ロダンは「近代彫刻の父」と称される19世紀を代表する彫刻家。「考える人」像は、名古屋市博物館の大規模改修に伴い、仮保管先が必要となったため、3年間程度を見込む工事の間、市立博物館に貸し出されることとなった。
陸前高田市教委によると、像本体の高さは1・8㍍、重さは0・9㌧で、台座を含めると高さ3・1㍍、重さ1・4㌧。原型から公式につくられた銅像で、鋳造年は昭和49年。名古屋市博物館によると、同じ大きさの像は国内に4体しかないという。
名古屋市は東日本大震災後、陸前高田市の行政全般を「丸ごと支援」する独自の取り組みを展開。24年に両市教委が絆協定を、26年に両市が友好都市協定を結び、29年には両博物館が友好館としての協定を締結した。
市教委の山田市雄教育長は「5日に開館1周年を迎える中、強い絆で結ばれている名古屋市から博物館の節目に花を添えるかのような貸し出しをしていただき、感謝の念に堪えない。北関東以北では初の展示となり、県内に加え、他県からも注目が集まる。新たなまちのにぎわい創出につながってほしい」と公開を待ち望んでいる。
市立博物館は像の設置に伴い、10月30日から2日まで臨時休館している。3日は午前9時から、現地で受け入れ式を開く。