わかめ大福 幅広い世代へ 東高食物文化科の3年生 郷土料理伝承会で指導(別写真あり)
令和5年11月4日付 6面

「大船渡東高校生による郷土料理伝承会」は3日、大船渡市盛町の働く婦人の家で開かれた。同校食物文化科3年の生徒らが、郷土料理の「わかめ大福」と自ら考案したアレンジレシピ「くわい!まるっとうんめえ~わかめ大福」の作り方を指導し、地域資源を生かした伝統の味と技術を幅広い世代に伝えた。
伝承会は、大船渡地方農業振興協議会の「若い世代による地場産物を活用した郷土料理アレンジレシピ創作等研修」の最終回として開かれ、昨年に続く2回目。3年の課題研究で「地域資源と食文化コース」を選択する加藤心音さん、坂本若菜さん、菅原菜々実さん、熊谷凛音さん、栗村美妃さんが受講している。
テーマのわかめ大福は、未利用資源である間引きワカメを生地に練り込んだ郷土菓子。浜仕事などのおやつとして親しまれており、5人は県認定の食の匠・古澤弥代子さん(76)=末崎町=から作り方を教わるとともに、▽ずんだ▽みそ▽わさび▽しょう油▽梅──の5種類のあんを包んだアレンジレシピを考案した。
研修の集大成として開いた伝承会には、気仙3市町から世代を超えた12人が参加。生徒らは生地の作り方を実演し、「蒸した生地はしっかりこねると弾力が出て、食感がよくなる」「こねるときは、生地に自分の体重をのせながら作業を」などとコツを伝授した。
参加者らは、生徒たちから直接教わりながら生地を作り、試食で気に入った味のあんを中に入れて丸め、大福を完成させた。鮮やかな緑色の大福に仕上がると、参加者らは笑顔を浮かべていた。
村上隼太朗さん(高田東中学校1年)は、昨年に続いての参加。「あんを包むのが難しかったが、いろんな味があってアレンジができ、郷土料理の幅をうまく広げられると知った。ワカメとの相性も気になるので、食べるのが楽しみ」と充実した表情を見せた。
坂本さんは「ちゃんと説明ができるか不安があったが、皆さんが話を聞いて質問をしてくれて、楽しそうに受講をしてくれたのでよかった。わかめ大福は郷土料理だが、まだ多くの人に知られていない。伝承の機会があれば教え、子どもたちや若い人たちにもっと知ってほしい」と話していた。
生徒らは今後、研修内容をまとめ、校内で発表する計画。学校側では、管内の学校や催しの場などから伝承会の希望があれば、相談に応じたいとしている。
問い合わせは東高(℡26・2380)へ。