大船渡が本州トップに 全さんま10月末集計 全国では花咲(北海道)に続く
令和5年11月9日付 1面

全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)は、令和4年・5年の対比サンマ水揚げ状況を発表した。10月31日現在、大船渡市魚市場への数量は2642㌧、金額は13億3323万円といずれも前年を上回り、全国2位で本州トップを維持。関係者は、11~12月にかけての三陸沖での漁場形成による上積みに期待を込める。
全さんまによると、同日現在の全国数量は前年同期比40%増の1万5471㌧。金額は同9%増の75億7019万円となっている。過去最低に終わった昨年を上回るペースで推移している。
数量は北海道分が9507㌧で、同2551㌧(37%)の増。本州合計は5964㌧で、前年同期を1902㌧(47%)上回った。
水揚げの漁船数も、全国で1044隻と、前年同期の684隻から1・5倍超に。全さんまの大石浩平専務理事は「今年は、数年ぶりに三陸をはじめ日本水域で漁獲でき、10月下旬からはオホーツク海でも取れ、公海以外にも漁場が形成されている。水揚げの船が増えているのは、20㌧未満の小型船によるものも大きい。何とかこの後も続いて、(集計開始以降で)最低だった前年実績を上回ってほしい」と期待を寄せる。
県内数量2904㌧(前年比874㌧増)のうち、大船渡が9割を超える。今季も、地元漁船や、サンマを取り扱う水産加工業者の強さが際立っている。
大船渡は数量、金額ともに本州トップ。本州の数量に占める割合は44%となっている。水揚げの漁船数は124隻で、前年比で1・7倍増。1㌔当たりの単価は504円で、前年の712円から約3割下がった。
今季は8月26日に初水揚げがあり、9月後半に入ると公海で操業した漁船が接岸し、100㌧超えが相次いだ。10月上旬は伸び悩んだが、中旬以降は宮古沖をはじめ三陸海域に漁場が形成され、1日で400㌧を超える日もあった。
11月は、1日から4営業日連続で水揚げがあったが、29~48㌧で推移。昨年は11月も1日で100㌧を超える日があっただけに、今季もさらなる水揚げ増が期待される。全さんまがまとめた実績は別掲。