酔仙酒造が〝ダブル優等賞〟 東北清酒鑑評会 吟醸酒、純米酒の両部で(別写真あり)

▲ 東北清酒鑑評会の吟醸酒、純米酒の部で優等賞に輝いた酔仙酒造

 仙台国税局(清水雄策局長)による「東北清酒鑑評会」の結果が発表され、陸前高田市の酔仙酒造㈱(金野連代表取締役社長)が吟醸酒、純米酒の両部で優等賞に輝いた。純米酒の受賞は3年連続、両部で優等賞を獲得するのは久々になるといい、同社は東日本大震災からの復興支援に対する感謝を胸に、さらなるまい進を誓っている。
 表彰状の伝達式は9日、大船渡市猪川町の同社大船渡蔵で実施。大船渡税務署の鈴木研一署長が金野社長に吟醸酒、純米酒各部の日本語と英語の表彰状を手渡し、「今年も表彰状を伝達できてうれしい。この賞は、杜氏や蔵の関係者らの努力の結晶だ」と受賞をたたえた。
 金野代表取締役社長は「吟醸酒で受賞できるとは思っていなかった。こうして賞をいただけるのも、皆さんのご指導のおかげ」と、震災復興をはじめとする多くの支えに感謝。今年9月、国税庁が岩手県を清酒の産地として地理的表示(GI)に指定した話題も挙げ、「気仙の米と水、独自のこうじで造った酒が評価され、どんなにハードルが高くても外に出せる自信がついた。今後とも良質な酒造りを続けていきたい」と力を込めた。
 東北清酒鑑評会は、同局管内における清酒の製造技術と品質の向上を目的とし、毎年秋に開催。吟醸酒と純米酒の2部門を設け、同局鑑定官や独立行政法人酒類総合研究所職員、外国人専門家らが各出品酒の品質を評価する。
 その結果、成績が上位の出品酒を優等賞に選出。このうち、第1位には最優秀賞、2位と3位には評価員特別賞が贈られる。
 本年度は、東北6県の清酒製造場148場から、吟醸酒の部に125場143点、純米酒の部に118場134点の清酒が出品され、品質評価は先月上旬に行われた。
 その結果、吟醸酒の部で45場47点、純米酒の部で40場42点を優等賞に選出。県内からは、吟醸酒の部に4場4点、純米酒の部に7場7点が選ばれた。
 同社では今回、吟醸酒と純米酒の各部に1点ずつ応募。そのどちらもが優等賞に輝くという、高い評価を受けた。