イベントで地域沸かす 黒崎温泉が新規ファン獲得へ 26日秋祭り、12月2日バスツアー
令和5年11月15日付 3面

陸前高田市広田町の黒崎仙峡温泉は、26日(日)に同温泉で秋祭り、12月2日(土)に市内を巡るバスツアーを開催する。新型コロナウイルス禍で遠のいた客足が回復基調にあるものの、以前の水準には及ばない状況が続いている。利用増、新規ファン獲得への突破口を開こうと、自主企画のイベントにも力を入れていく。(高橋 信)
秋祭りは、「いい風呂(1126)の日」に合わせた恒例行事。当日は午前10時30分から米崎町の歌手・菊池秀樹さんの歌謡ショーが行われる。陸前高田市の民謡団体「鳴美会」の菊池郷平さん(高田東中2年)・里歩さん(米崎小6年)のきょうだいも出演し、三味線演奏や踊り、民謡を披露する。
正面玄関前に屋台を特設し、飲食を販売する。館内の食堂では感謝セールを行う。入浴のたびにもらえるスタンプカードは、同日限定で2倍にする。売店で1000円以上買い物した人には、売店や特設屋台で使える100円分クーポン券をプレゼントする。
バスツアーは、初めて企画したイベント。高田町の市立博物館で、名古屋市博物館所蔵のロダン作「考える人」の展示が始まったことなどを受け、「陸前高田の魅力を温泉とのセットで伝えよう」と立案した。
実施時間は、午前10時30分~午後3時30分。午前10時から同30分の間に同温泉に各自集合し、マイクロバス(乗客定員28人)で市立博物館、小友町の気仙大工左官伝承館を巡る。午後1時ごろに温泉に戻り、入浴のほか、施設食堂の手作り弁当が振る舞われる。
参加料は、入浴代500円と弁当代1500円。最少催行人数は5人で、申し込みは今月20日(月)まで、電話、同温泉の公式ホームページの「お問い合わせ」ページで受け付けている。
施設を運営する黒崎温泉企業組合(村上新一理事長)によると、新型ウイルス感染拡大後、客足は平常時から半減し、平日の来館者数は50人を割る日もあった。現在は平日70~80人、休日150~160人。行動制限の緩和などで団体客の利用が復調し、客足は7割程度まで回復した。
バスツアーは今回を第1弾とし、今後年4回程度開催していく方針。太平洋を望みながら漬かれる温泉の魅力を発信していく。
村上理事長は「ツアーは毎回コースを変えながら、季節ごとに開催していければ。常連客や団体客に支えられているが、新たなお客さんを確保する努力を続けていきたい」と意気込む。
問い合わせは、同温泉(℡57・1126)へ。