市が新設の給付型奨学金制度 12月15日まで申請受け付け 市出身の学生向け 従前の貸与型と併用し人材育成

▲ 応募書類は市役所5階の学校教育課窓口で配布している

 陸前高田市は、新たに創設した返済不要の給付型奨学金の申請を受け付けている。佐々木拓市長が推し進める人材育成策の一つで、経済的な理由で修学が困難な市出身の大学生や専門学校生らを対象とする。来年度分は20人を上限に募っており、20万円の入学一時金と月額3万円の奨学金を給付する。同時に従前の貸与型奨学金の申請も受け付けており、二つの支援制度を運用しながら次代を支える人材を育んでいく。申請期限はともに12月15日(金)まで。(高橋 信)

 

 給付型奨学金を受給するには成績が特に優秀で、親などの生計維持者が給付日からさかのぼり、少なくとも2年間市内に住んでいることが条件。市外の高校に進学、卒業した大学生や専門学校生らも対象に含める。
 来年3月頃に入学一時金を配り、奨学金は年3回に分けて12万円ずつ(4カ月分)交付する。給付期間は正規の就学期間(短大は2年、大学は4年、または6年など)とし、4年制大学の学生の場合、入学一時金と奨学金を合算すると、4年間で計164万円が給付されることとなる。
 来年度の給付人数は20人で、令和7年度以降は一般財源を充当させて年間10人に支援する。ただし、同年度からふるさと納税の寄付金も財源に加え、寄付額に応じて給付人数を増やすこととしている。
 市は昭和40年代に、貸与型の奨学金制度を創設。高校生には月額1万円と入学一時金10万円を、大学・短大・専門学校生らには月額3万円と入学一時金20万円を交付している。
 地域の要望を踏まえ、運用しながら支援を拡充。返還期間は10年以内となっているが、令和元年度には、卒業後に市内に住む就業者であれば返済を減免するルールを設けるなど、近年も制度改正を重ねてきた。
 市教委によると、令和4年度の同制度貸し付け実績(入学一時金分を除く)は、人数が約40人、金額が約1340万円だった。来年度分の募集人数は、12人程度(大学生、短大生など10人、高校生2人)。
 応募書類は市役所5階の市教委学校教育課窓口で配布している。
 同課の関戸文則課長は「本市出身者の向学心を大事に、希望を持って進学できるよう少しでも支援していきたい。限られた財源の中で運用することとなり、まずは問い合わせをいただき、納得したうえで申請してほしい」と呼びかける。
 問い合わせは同課(℡54・2111内線521、522)へ。