リーフレット 音声と点字で 視覚障害者福祉協 大船渡支部が市立博物館に寄贈

▲ 県視覚障害者福祉協会大船渡支部が博物館に贈った音声版、点訳版のリーフレット

 社会福祉法人岩手県視覚障害者福祉協会大船渡支部(田澤博嵩支部長)はこのほど、大船渡市立博物館(鈴木満広館長)に同館リーフレットの音声版CD5枚と点字訳5部を寄贈した。視覚障害者に同館への理解を深めてもらおうと、市内のボランティア団体の協力を得て作成したもので、同館では活用を誓っている。
 同支部では今年6月、博物館の見学会を企画。同館職員から説明を受けたり、館内の「たいけんコーナー」内で実際に化石や土器などの資料に触れ、展示内容に理解を深めた。
 会員らからは、「視覚障害者に博物館の概要を伝えられるものがあれば」との声があり、来館者に配布されるリーフレットの音声訳を制作することに。市内の音声訳オープンハートが協力し、「声のリーフレット」を完成させた。
 音声版では、リーフレットに表示されている同館の基本情報や常設展示の説明文を読み上げているほか、掲載写真も1枚ずつ紹介し、約14分にまとめた。表紙を飾る化石や土偶など展示資料の写真については、その名称、概要を解説している。
 同支部では、点字使用者の利用にも対応しようと、点字版のリーフレットも用意。音声版の原稿をもとに、市内の点訳グループ美杉会大船渡が手がけた。
 完成した音声版、点字版のリーフレットは今月12日、博物館に贈呈。6月の見学会参加者にも配布したという。
 鈴木館長は「いただいたCDや点字訳は、視覚障害者の方々に博物館を知ってもらうきっかけづくりとなり、大変ありがたい。今後、窓口やホームページなどで案内をし、貸し出しにも応じたい。また、触れられる資料を用意するなど、視覚障害者の方々に体験をしながら学んでもらえる体制もつくっていきたい」と話し、寄贈に感謝した。
 同支部側では「視覚障害者の方々に、博物館の内容を理解してもらえるものがあればと作成した。今後も、視覚障害者の利用促進に向けて協力をしていきたい」と話していた。