防災・減災へ理解深める 有住小4年生 気仙川の災害対策施設見学(別写真あり)
令和5年11月21日付 2面

住田町立有住小学校(新沼健校長、児童45人)の4年生8人は20日、陸前高田、住田両市町で「防災減災を学ぶ現場見学会」を行った。町独自教科「地域創造学」の一環で、両市町を流れる気仙川の自然災害対策に向けたインフラ設備を見学。地元の河川環境に理解を深めるとともに、防災への意識も高めた。
同校4年生は本年度、「私たちの気仙川」をテーマに河川環境や防災について広く学んでいる。この日は陸前高田市の気仙川水門、住田町世田米の昭和橋架け替え工事と成沢砂防堰堤の計3カ所を回り、各施設で県職員から説明を受けた。
このうち、昭和橋の架け替え工事は、令和7年度末の供用開始を目指して進められている。新昭和橋(仮称)は、鋼桁とコンクリートを合成したものを用いて建設。橋長は72㍍、幅員は7・8㍍。工事は気仙川の稚魚放流時期やアユ漁解禁期間を避けながら進められている。
旧橋の解体工事は昨年11月から始まり、今年1月に撤去が完了。5月には川向地域側の橋台が完成し、その後は稚魚の放流期間やアユ漁期間の河川での工事を中断し、今月から再び工事が本格化している。今後、6年5月にかけて商店街側の橋台と、橋脚の施工で使用する工事用桟橋、同年11月から橋脚工事と護岸工が進められていく予定。
県職員は「洪水はいつ、どこで発生するか分からないので、川の工事を行っている」とし、堤防や護岸、河川の拡張、架橋工事などを展開していることを児童らに説明。
新橋のデザインコンセプトには「世田米の中心にて住田町の歴史と文化を象徵し、地域とともに新たな歴史をはぐくむ橋」を掲げ、単に機能だけでなく住民生活や景観との調和も重視していることも紹介した。
児童らは説明を受けながら完成後の姿に思いを巡らせるとともに、防災・減災対策の重要性についても理解を深めた。
菊池優菜さんは「昭和橋がなくなったのは残念だったけど、新しい橋はデザインも良くなっているので、完成するのが楽しみ」と話していた。