新型コロナウイルス/12~64歳の申請受付再開 ワクチン確保受け 来月に最後の集団接種実施

▲ 市は12~64歳の対象者に接種券申請方法を記したはがきを送付

 大船渡市は、新型コロナウイルスワクチンの「秋開始接種」について、12~64歳の希望者を対象とした接種券発行の申請受け付けを再開する。国からのワクチン供給が不安定な状況が続き停止していたが、今月下旬にモデルナ社製3000回分が新たに届く見込みがついた。これにより、来月には最後となる集団接種を計画。市では「接種見込み者に充足する量が確保でき、おおむね年内に完了する」としている。(佐藤 壮)

 

 秋開始接種は10月1日以降、12歳以上でこれまで2回以上接種した希望者に実施するよう準備を進めてきた。概算で約2万7500人が対象で、今月8日までに市内16医療機関での個別接種では3676人、市民体育館を会場とする集団接種では1400人に実施した。
 一方、国からのワクチン供給は不安定な状況が続き、個別接種会場を中心としたファイザー社製は、医療機関ごとの上限を1カ月あたり300~400回としながら配送。集団接種で使用するモデルナ社製は不足したため、11月の集団接種を見送った。
 こうした中、市では高齢者への接種を優先しながら対応。先月上旬には、64歳以下の接種券発行の申請受け付けを停止した。接種案内はがきの送付も見合わせてきた。
 市によると、今月8日、国からモデルナ社製3000回分が同下旬に供給されるとの連絡があった。これを受け、これまで届いていたファイザー社製などを含め、1万5500回分のワクチンを確保。市では接種見込み者を約1万4500人とし、希望者全員への対応にめどがついた。
 64歳以下の対象者には接種案内はがきを送付し、22日から順次届く見込み。はがきには接種券発行申請方法を記しており、インターネットや電話で申し込む。
 12月の集団接種は、これまで通り市民体育館を会場とする。実施日は13日(水)と14日(木)、16日(土)、20日(水)、21日(木)、23日(土)の計画で、いずれも午後の日程とする。
 予約受け付けは同5日(火)からで、申請後に届く番号が記された接種券が必要となる。インターネットの専用サイト(https://jump.mrso.jp/032034/)とコールセンターの電話(22・8462、平日午前10時〜午後5時)で対応。1日当たりの定員は300人とし、予約状況によって増員も検討する。
 集団接種は、原則として来年1月から国庫補助金の対象外となる見込みで、1月以降は実施しない。コールセンター業務も12月で終了する。
 個別接種で使用していたファイザー社製は1万回以上が届き、各医療機関で順次対応しているが、希望する医療機関にはモデルナ社製を追加配送する方針。市はこれまでと同様に「できるだけかかりつけ医などでの接種を」と呼びかける。おおむね年内に希望者への完了を目指すとしており、1月以降の対応は今後検討する。
 市健康推進課の佐藤かおり課長は「これまで『受けたいのに受けられない』との声も聞いていた。現在の感染状況は落ち着いているが、いつ再び拡大するか分からず、希望する方はこの機会を逃さずに受けていただきたい」と話す。
 市は合わせて、12歳未満を対象としたワクチン接種の日程も新たに組んだ。対象家庭には、接種券申請の案内はがきを送付。医療機関での個別接種のみで、盛町の大津小児科ファミリークリニックと三陸町越喜来の国保越喜来診療所で対応している。
 ワクチン接種に関する問い合わせ先は、健康推進課内の相談窓口(℡22・8061)へ。