サンマ数量昨年超え 市魚市場 今月最多317㌧水揚げで(別写真あり)
令和5年11月25日付 7面

大船渡市魚市場で24日、今月最多となる317㌧のサンマが水揚げされた。三陸海域東の公海を中心に操業した11隻が次々と接岸し、活気に包まれた。今季の水揚げ数量は累計で3300㌧を超え、昨年実績を突破。サンマ漁は終盤に入っているが、関係者は「もう少し続いてくれれば」と、さらなる上積みに願いを込める。(佐藤 壮)
同日早朝の魚市場は、23日まで操業した大型船が続々と入港し、南側岸壁にずらりと並んだ。ワンレイ側岸壁でも水揚げが行われたほか、海上で接岸を待つ船も見られた。各岸壁ではフォークリフトが何度も行き来し、慌ただしさが広がった。
入札風景を見守った大船渡魚市場の千葉隆美社長は「12月に近づくと、しけなどの影響で操業できる日数が限られてくるが、何とか漁況が整ってほしい」と話した。25日も4隻計73㌧の水揚げを予定している。
今季は8月26日に初水揚げがあり、9月後半は100㌧超えが相次いだ。9月までは遠く離れた公海への出漁が続き、10月になると三陸海域で操業した漁船が次々と入港。地元の大型船(199㌧)だけでなく、小型船(19㌧)も接岸し、市魚市場の南側岸壁で水揚げが盛んに行われる盛漁期ならではの光景が見られた。
この日の水揚げは、10月14日の441㌧、同27日の332㌧以来のまとまった数量。10月までは前年同期比約1・5倍増で推移していたが、11月は1日100㌧未満の水揚げにとどまり、伸び悩みを見せていた。
同魚市場によると、今月23日までのサンマ数量実績は3046㌧。24日の水揚げ分で、4年実績の3054㌧を上回った。一方、前年の金額は19億8554万円で、今季は24日分を足しても16億円台となっており、今月終盤にかけてどこまで伸びるかが注目される。前年は1㌔当たりの単価が656円だったが、今季は505円となっている。
令和に入り、年間累計数量は1万㌧台が遠い状況が続く。元年と2年は、いずれも6000㌧台前半。3年は5700㌧台の平成11年を大きく下回る2471㌧に落ち込み、平成以降で最低水準となった。昨年、今年と2年連続で回復しているが、不漁の域からは脱していない。
一般社団法人・漁業情報サービスセンターによる今季第8回サンマ中短期漁況予報によると、三陸海域における11月下旬~12月上旬の来遊量は、引き続き低位水準が続くとみる。
12月中旬からは断続的な来遊となり、終漁となる。魚群の多くが、三陸海域の東側を南下する見込み。漁場は11月下旬まで三陸北部~南部海域に形成。12月上旬~中旬は三陸南部となるが、下旬は形成されないとしている。道東海域では今月下旬から断続的な来遊となり、終漁を迎えそうだ。