暗算最高位十段に合格 盛珠算クラブの伊藤さん 「次は珠算十段合格を」

▲ 暗算の最高位の十段に合格した伊藤さん

 大船渡市の盛珠算クラブに所属する伊藤心優さん(大船渡一中2年)が、全国珠算教育連盟主催の第417回暗算検定試験で最高位の十段に合格した。昨年9月から十段への挑戦を続け、3回目の受検で最高の結果をつかんだ伊藤さんは「指導してくださる先生のおかげ。次は珠算十段合格と競技大会での優勝を目指す」と、向上心高く今後の学習に意欲を見せる。(菅野弘大)

 

 年6回行われる暗算検定試験。十段は掛け算、割り算、見取り算を各40問、それぞれ制限時間3分以内に解答する。合格には40問中2問しか間違いが許されず、計算の速さと正確さに加え、書く数字の見やすさも厳しくチェックされる超難関だが、伊藤さんは9月に宮城県気仙沼市で行われた試験でその狭き門を見事突破した。
 5歳の頃に同クラブに入門し、現在は大船渡町字笹崎の大船渡そろばん教室で練習に励む。ほかの習い事に通いながらも時間を見つけて地道に勉強を続け、暗算、珠算ともに力をつけてきた。
 昨年9月に十段に初挑戦し、受検3回目で暗算に合格。得意の割り算は満点で、ミスは見取り算1問、掛け算2問のみで、それぞれ合格基準を満たした。「ずっと練習していて、今回こそ合格したいと思っていた。掛け算が怪しかったけど、合格の連絡をもらったときはうれしかった」とはにかんだ。
 現在は週2回教室に通うほか、宿題の問題を毎日解き、解答スピードを上げるための練習にも取り組む。同教室で伊藤さんを約8年間指導してきた新沼正憲さん(76)は、毎朝伊藤さんから送られてくる宿題の解答を採点するのが日課といい、「(伊藤さんは)とても頑張り屋。生徒が一生懸命取り組んでいるから、こちらも頑張らないとと思う。体調を崩さず、これからも元気に頑張ってほしい」と目を細める。
 「今回合格できたのは、指導してくださる先生と家族のおかげ」と感謝を示し、次なる目標に「珠算十段合格」と「競技大会での優勝」を掲げる伊藤さん。「冬休みになれば練習時間も増える。来年は中学3年生になるので、中学生のうちに珠算十段の合格と、競技大会での優勝を達成できるように頑張りたい」と意気込みを語った。