来館者数90万人に到達 東日本大震災津波伝承館 開館から4年2カ月で

▲ 来館者90万人を達成し、エントランスでは感謝のメッセージを掲出

 陸前高田市にある東日本大震災津波伝承館の来館者数が27日、延べ90万人に到達した。令和元年9月22日の開館から4年2カ月での達成となり、同館では引き続き、震災の事実や教訓などを発信するとともに、さらなるサービスの向上も図ろうと誓いを新たにしている。
 同館は震災の事実や教訓、復興までの歩みと支援への感謝を発信する施設として、県が高田松原津波復興祈念公園内に整備。震災・防災学習の拠点として、国内はもちろん、海外からも注目を集め、幅広い世代が来館している。
 オープンから116日後の2年1月には、早くも10万人を達成。その後は、新型コロナウイルスの影響で2度の臨時休館を余儀なくされたが、着実に来館者数を伸ばし、昨年4月には50万人を超えた。
 今年5月には新型ウイルスが感染症法上の5類に引き下げられ、6月の全国植樹祭で全国的な注目も浴びたことから、来館者数が増加。8月11日に80万人を達成すると、10万人ごとの到達期間としては過去最短となる108日で90万人に達した。
 同館ではこの要因を、夏から秋にかけて好天に恵まれ、多くの人が足を運びやすい環境だったことをはじめ、学校関係の利用、団体や個人の観光客が多かったことなどによると分析。同館設置の寄付箱や県へのふるさと納税を通じた4年度の寄付金額は、過去最高の662万円余になったという。
 90万人到達を祝うセレモニーは行わず、同館エントランスのデジタルサイネージ(電子看板)や館内には、「来館者数90万人ありがとうございます」などのメッセージを掲出。これまでの来館に関する感謝の思いを発信した。
 澤田彰弘副館長は「開館から4年経過した中での90万人達成となり、まだまだ多くの方々に関心を持って足を運んでもらえることをありがたく思う。100万人に向け、スタッフともどもサービス向上や来館者の対応に努めたい。また、沿岸周遊の拠点として、さらに県内の沿岸各地に足を運んでもらえる取り組みにも力を入れていく」と話している。