サン・リア内に整備方針 市の「こども家庭センター」(仮称) 相談機能や屋内公園 市議から多様な意見
令和5年12月1日付 1面
大船渡市は、11月30日の市議会全員協議会で、盛町のサン・リア2階に「市こども家庭センター」(仮称)を設ける方針を示した。子どもや妊産婦、子育て関連の対応は現在、市役所本庁と保健センターに分かれる中、一体的な相談支援窓口機能に加え、屋内公園といった交流機能がそろう拠点として、来年7月の開設を目指す。市側は中心市街地の民間施設を生かした支援の充実を図る計画を掲げたのに対し、議員側は虐待などを扱う相談体制や施設利用選考など、より踏み込んだ議論・調整を求める意見が出た。市は今後、整備費用を盛り込んだ補正予算案を提出する。(佐藤 壮)

交流広場のイメージ図
説明によると、中央エスカレーター2階南側に、市保健福祉部の「こども家庭センター」を設け、向かい側に交流広場を設ける方針。同センターの予定面積は132平方㍍で、事務室や受付窓口、相談室が入り、当面は平日の日中業務が中心となる。
改正児童福祉法に基づき、本庁にある子ども課と、保健センター内の健康推進課母子保健係を移管。総勢約20人の職員体制で、全ての子ども、妊産婦、子育て世帯のさまざまな悩みに対応できる一体的な相談支援体制の構築を目指す。
交流広場の面積は267平方㍍。未就学児から小学校低学年までの子どもやその保護者を対象とし、安全面に配慮した遊具や交流ゾーンなどを設置。保護者同伴を基本とし、サン・リア営業時間内は無料で自由に遊べる施設とする。
来年1月から設計に着手し、3月に着工予定。4~6月はこども家庭センターは市役所本庁や保健センターで事務対応に当たる。サン・リアでの開設は7月とし、愛称は別途検討する。
5、6年度の歳出は計約3550万円と想定。財源として、一般寄付金やふるさと納税寄付金に加え、遊具設置費1000万円は、一般財団法人自治総合センターのコミュニティー助成事業に申請している。6年度の賃借料(共益費含む)は678万円、光熱水費・通信運搬費・リース料金などは302万円で、維持経費は年間1000万円程度となる見込み。
国では、子ども・子育て支援政策の強化に向け、各自治体には従来の子育て世代包括支援センターと子ども家庭総合支援拠点を統合した「こども家庭センター」の設置を努力義務としている。
これを受け、市は、市民が集う中心市街地に設け、子育てに関する総合的な相談体制の構築を図る方針。さらに天候にかかわらず子どもが楽しく遊ぶことができる屋内の交流広場を整備することで、支援のさらなる充実や、社会全体で子ども・子育て世帯を応援する機運の醸成を図る。
整備に向けては、市役所本庁舎内の設置も検討。健康推進課母子保健係を加えた職員の配置に加え、個別相談室などの設置が難しいという。
旧学校施設の活用は、改修費用が掛かる。市働く婦人の家など東日本大震災浸水域の公共施設では、避難時の誘導に不安を抱える。新築も2億円以上の建築費が見込まれ、将来的に建物保全に要する維持管理経費が出ることから、サン・リアの活用検討を進めてきた。
議員の一人は「保健センターやシーパル大船渡、市働く婦人の家が望ましいのでは。相談では虐待やDVなど繊細な問題を扱う。(サン・リアに整備する場合の)年間維持費の分は、低所得者向けの支援に使いたい」と指摘。
別の議員は「ふるさと納税を財源に活用するならば、もっと真剣に取り組まなければ」と発言。他にも「人目につきにくい方が相談しやすいのでは」「屋内広場は単なる遊び場になってしまわないか。緊急時の一時預かり対応の充実が喫緊の課題ではないか」といった懸念が出た一方、賛意を示す発言も複数寄せられた。
伊勢徳雄子ども課長は本庁内の相談スペースが不足している現状を挙げながら「子ども関連窓口の一元化」「普段から行きやすい場所で相談でき、個別相談で守秘義務も確保される。対面だけでなく電話や職員が出向いての相談も行う」などを強調。出生時に本庁内の市民環境課から子ども課に回り、児童手当や出産祝い金の手続きをする流れに関しては「直接子ども課に出向かずに対応できるよう整備したい」と語った。
乳幼児の健診場として利用できるかは、今後検討する。緊急時の一時預かりは、既存のファミリーサポートセンター事業の工夫・改善で課題解決を図る意向を示した。
交流広場に関し、伊勢課長は「屋内広場は、市民から要望が多かった一つ。悪天候や猛暑でも気軽に遊ばせることができる。現状の組織見直しにとどまらず、子ども・子育て支援の充実を進める中、一歩先に進んだものを整備したい」と答え、理解を求めた。






