ホール包む『歓喜の歌』 第7回「けせん第九」 140人が仙台フィルと共演(別写真あり)

▲ 『歓喜の歌』をホールに響かせる合唱団と仙台フィル

 第7回「けせん第九演奏会」(けせん「第九を歌う会」inおおふなと実行委員会、日本交響楽振興財団主催)は3日、大船渡市盛町のリアスホールで開かれた。気仙地区内外から集まった約140人の合唱団員が、仙台フィルの演奏のもと心を一つに重ねた『歓喜の歌』をホールに響き渡らせ、聴衆の感動を呼んだ。(千葉雅弘)

 

 この演奏会は、平成20年のリアスホール開館を祝おうと、翌21年に市民らの合唱団と仙台フィルハーモニー管弦楽団が共演し、初めて開かれた。東日本大震災での休止もはさみながら回を重ね、「歓喜の歌」を響かせることで復興へと歩む地域に勇気と希望を届けてきた。
 通算7回目となった今回は、県芸文協、2市1町の芸文協、東海新報社などが後援し、競輪の補助を受けて開催。約900人の聴衆が訪れた。
 合唱団は第九を歌う会のメンバーをはじめ、県内外の有志が加わり、小学生から80代まで約140人の混声四部合唱で編成。春から練習を重ねてきた。
 指揮者に山下一史さん(大阪交響楽団常任指揮者)を迎え、ソリストは大船渡市出身の土井尻明子さん(ソプラノ)と陸前高田市出身の菅野祥子さん(アルト)のほか、盛岡市を拠点とする西野真史さん(テノール)と小原一穂さん(バリトン)が務めた。
 仙台フィルは震災犠牲者への献奏をささげたあと、ベートーべンの『劇音楽〈エグモント〉序曲』を響かせた。『交響曲第9番〈合唱付〉』に入ると、合唱団がステージ上のひな壇に立ち、第4楽章で立ち上がってオーケストラ演奏とともに迫力ある歌声を響かせた。
 演奏終了後、聴衆からは「ブラボー」の声が飛び、すべての出演者が降壇するまで拍手は鳴りやまず、会場全体が感動に包まれた。
 終幕後、出演者たちはお茶で乾杯してねぎらい合った。今回で5回目の指揮で、練習段階から気仙に足を運んできた山下さんは「本番にかける皆さんの思いが結集し、すばらしい合唱がホールに響き渡り、希望や励みになったと感じる」と発表を振り返り、団員らとの再会も誓っていた。