指定管理者団体を提案 市民文化会館「大船渡ぶんかクリエイティブ」に 市議会12月定例会が開会
令和5年12月9日付 1面

大船渡市議会12月定例会は8日、開会した。市当局は、市民文化会館の指定管理者や、本年度一般会計補正予算など議案14件を提出。指定管理者は、施設管理や舞台管理で実績がある2社による団体「大船渡ぶんかクリエイティブ」とする内容で、期間は令和6年4月から3年間。5団体から提案があった中、地域住民をはじめ諸団体・施設との連携を図り、多様なネットワークを築きながら施設の利用機会創出を図る姿勢などを評価した。各議案は最終日の19日(火)に採決が行われる。(佐藤 壮)
大船渡ぶんかクリエイティブの代表は、アクティオ㈱(淡野文孝代表取締役社長、東京都目黒区)。構成員は㈱アクト・ディヴァイス(水野美砂代表取締役、盛岡市)となっている。
アクティオは天童市市民文化会館(山形県)や柏市民文化会館(千葉県)、相模原市民会館(神奈川県)など全国136施設の指定管理者として管理運営を担う。アクト・ディヴァイスは大船渡市民文化会館に加え、盛岡市民文化ホール、北上市文化交流センター、奥州市文化会館など県内8施設、秋田県内1施設の舞台管理業務を受託している。
今夏に募集したところ、5団体からの申請があった。市指定管理者候補者選定委員会で、申請者から提出された事業計画書や収支計画書などを踏まえ、総合的に評価した。
この中では、地域住民をはじめ、関連団体や関係機関、諸施設との連携を図り、多様なネットワークを築くことで当施設の利用機会の創出を図る姿勢を評価。誰もが分かりやすいユニバーサルデザインの考え方を取り入れ、文字や絵などの多様なサインによる案内表示やコミュニケーション支援ボードを設置するなど情報のバリアフリー推進も掲げる。
さらに、児童・生徒を対象とした舞台芸術鑑賞会や館外活動のほか、子どもたちや地域住民が気軽に演者として舞台に立つ機会の創出も進める方針。利用者のニーズを踏まえて受付時間の延長を検討するほか、インターネットによるチケット販売サービスの導入、キャッシュレス決済など新たな利便性の提供も図るとしている。
再委託業務の事業者選定では、地元企業を優先する意向。閉鎖しているレストランスペースでは、子ども食堂などを取り入れた見守りサービスの拠点、中高生の制服や参考書の再利用など、これまでとは違った観点で有効活用を目指す。
全国各地の施設管理を担うアクティオの強みを生かしながら、複数施設と連携して同じ出演者を招き、出演料や広告宣伝費の節減を見据える。雇用に関しては「地域からの採用を最優先とし、多様な働き方を選択しながら柔軟に働ける職場づくりを推進する」としている。
市の指定管理料提案額は、3年間で計4億880万円。管理運営に要する経費は、この管理料と利用料金で対応する。利用者が支払う利用料金は指定管理者に入り、利用料金額は、条例範囲内で指定管理者が市の承認を得て定めることができる。
本年度一般会計補正予算は、歳入歳出に2億905万円を追加し、補正後の総額を232億1707万円とする。
このうち、冬季の経済負担軽減を図る福祉灯油事業に2609万円を計上。市民税非課税の高齢者、障害者、ひとり親世帯などが対象で、原油価格・物価高騰などを反映して、前年度よりも1000円分多い7000円分とする。
このほかの主な内訳は▽三陸鉄道支援1516万円▽自立支援給付7200万円▽子ども医療費助成1800万円▽生活扶助・医療扶助9950万円▽道路・河川等維持補修事業2200万円──となっている。
当局からは、来年4月からの下水道料金改定や、市営球場や市民弓道場の利用料金上限額の見直し、三陸B&G海洋センターのスイミングプール廃止などを盛り込んだスポーツ施設条例の各一部改正議案も提出された。各議案は19日の本会議で採決される。
今定例会の日程次の通り。
▽9~12日=休会▽13~15日=一般質問▽16~18日=休会▽19日=本会議