天皇杯王者と夢の時間 フロンターレ17選手訪問 4年ぶりに交流会 市民限定のサッカー教室も(動画、別写真あり)

▲ 3年連続でJリーグベストイレブンを受賞した脇坂泰斗選手と交流

 新型コロナウイルス感染拡大以降見送られてきたサッカーJ1・川崎フロンターレの選手17人と陸前高田市民との「スマイル交流会」が15日、同市で4年ぶりに開かれた。クラブと市が結ぶ友好協定「高田フロンターレスマイルシップ」に基づくイベントで、16日には市内小学生向けのサッカー教室も開催。天皇杯全日本選手権を3年ぶりに制した選手たちとの夢のひとときを過ごした。(高橋 信)

 

交流会でひときわ盛り上がった恒例の餅まき

 12日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)遠征を終え、今季の全日程を消化したばかりの選手たち。東日本大震災後絆を育んできた市民のため、天皇杯の優勝カップを手土産に、過密なスケジュールの合間を縫って駆けつけた。
 交流会は市コミュニティホールで開かれ、市民約150人が参加。在籍15年目のディフェンダー・登里享平選手は「『ただいま』という感覚。教室に参加してくれた子どもが声変わりをしていたりして個人的にも感慨深かった」と交流の経過に思いをはせた。
 参加者は快くサインに応じる選手たちと一緒に写真を撮るなどして交流。イベント恒例の餅まきも繰り広げられ、最後は全員で肩を組みながらフロンターレコールを響かせた。
 佐々木拓市長は「サッカーの国内王者が陸前高田に来てくれた」と大感激。㈱川崎フロンターレの吉田明宏代表取締役社長は「次の10年に向けてさらに深い絆を築きたい」と見据えた。
 地元・高田FC所属の及川晄さん(小友小3年)は「安藤駿介選手のサインをもらえて、とてもうれしかった」と目を輝かせた。
 サッカー教室は気仙町の上長部グラウンドで開かれ、高田FCの小学生ら約40人が参加。2グループに分かれて選手と交流戦を行い、熱気が広がった。
 同クラブの金野蒼奨さん(米崎小6年)は「橘田健人主将のドリブルやボールタッチがすごかった。フロンターレの選手のようになれるよう練習を頑張る」と決意した。
 フロンターレは震災直後、陸前高田市の子どもたちにクラブオリジナルの算数ドリルをプレゼントしたのをきっかけに、市民らとの交流を開始。平成27年9月に同市と友好協定を結んだ。
 選手会長でゴールキーパーの安藤選手は「復興支援という形から始まったが、今は互いに励まし合う関係。陸前高田の人たちを笑顔にしていけるような活動を行っていきたい」と語った。