料理&トークで異文化理解 市国際交流協会が初行事 市内外国人が腕振るう 市民らとの触れ合い和やか(別写真あり)

▲ 自慢のタイカレーを振る舞い、市民と交流したワラーラットさん

 陸前高田市国際交流協会(長谷川節子会長)は20日、高田町の市コミュニティホールで、市民らが異文化理解を深める交流会を開いた。市内に住む外国人に自慢の母国料理を作ってもらい、トークも楽しむ初の試みで、第1弾はタイ、ミャンマー出身者が腕を振るった。参加者約50人は東南アジアのおいしい料理を堪能し、外国人との和やかなひとときを過ごした。(高橋 信)

 

母国のミャンマーについて紹介したレベッカさん

 調理したのは、高田町でマッサージ店を営むタイ出身の清水ワラーラットさん(40)と、米崎町に住むミャンマー出身の会社員・高清水レベッカさん(36)。タイ料理であるイエローカレー、グリーンカレー、レッドカレーと、ミャンマー定番のデザートというバナナを使ったパウンドケーキが振る舞われた。
 ココナッツミルクと各種スパイスの食欲をそそる香りが広がり、配膳を首を長くして待つ参加者。本格的な味わいに「おいしい」などと感想を述べ合いながら舌鼓を打った。
 矢作町の村上佳厘奈さん(高田高2年)は「家で普段食べているカレーと違って初めての味。とてもおいしいし、海外の味を知る良い機会となった」と笑顔で頰張った。
 ワラーラットさんは「朝から食事の準備をしたけど、みんなに食べてもらえると思うと、まったく大変だと感じなかった。おいしいと言ってもらえて、最高に幸せな気分。今後も市民と交流し、タイの良さを伝えたい」とにこやかだった。
 会食前には、厨房に立った2人が移住のきっかけや生活ぶり、母国の産業などについて説明した。
 レベッカさんは、日本人も驚くほどの流ちょうな日本語を披露。「陸前高田は自然に囲まれて静かに暮らせて好きになった。産直で買う野菜が新鮮でおいしい」とまちの魅力に触れたうえ、「もっと陸前高田のことを知るために交流できる知り合いがほしい。国際交流協会という良いグループがあるので、いろいろな人と交流して新しい活動に挑戦したい」と語った。
 国際交流協会によると、市内には約180人の外国人が住んでおり、出身国は10カ国以上に上る。今回の交流会は、国籍、民族などの異なる人たちが認め合う多文化共生社会の構築を図ろうとのもので、年に数回開催していく計画だ。
 協会事務局は「今後もいろいろな人を交流会に巻き込み、国際交流を促進させていきたい」と見据える。