2023気仙この一年/記者の取材ノートより②選挙──新陸前高田市長に佐々木氏、知事は達増氏 新区割りで県議選も 住田町議選は3連続無投票
令和5年12月23日付 1面

12年ぶりの新リーダー誕生
陸前高田市長選
任期満了に伴う陸前高田市長選は1月29日告示、2月5日投開票の日程で行われ、元農林水産省職員の新人・佐々木拓氏(59)=広田町、無所属=が、現職・戸羽太氏(58)=高田町、同=を1195票差で破り、初当選した。東日本大震災後のインフラ復旧が完了し、ポスト復興のまちづくりにかじを切る同市に、12年ぶりに新リーダーが誕生した。投票率は79・36%と、4年前の前回選を0・98ポイント上回った。
得票数は佐々木氏6843票、戸羽氏5648票。佐々木氏は農水省で36年間働いた経験と人脈を生かし、▽大学誘致▽4年間で雇用1000人創出▽4年間で農林水産業の生産額倍増──などの公約を打ち出し、初当選を飾った。
市選管によると、市長選は昭和30年の市制施行以来通算18回目で、震災後としては3回目。平成11年以降、現職と新人、または新人同士によるいずれも一騎打ちが行われ、今回で7回連続となった。
初の〝気仙選挙区〟三つどもえの激戦
県議選
任期満了に伴う県議選(定数48)は、区割りの改定で今回から14選挙区となり、9月3日に投開票が行われた。気仙はともに定数1だった大船渡選挙区(大船渡市)と陸前高田選挙区(陸前高田市・住田町)が大船渡・陸前高田選挙区(定数2)となり、気仙3市町が一つの選挙区に。初の争いは、三つどもえの少数激戦となった。
結果、無所属の現職・千葉盛氏(40)=大船渡市猪川町=が抜け出して再選を果たし、自民党の現職・佐々木茂光氏(65)=陸前高田市気仙町=は苦しみながらも逃げ切り、4選を飾った。初当選を狙った無所属の新人・畠山恵美子氏(52)=同市横田町、自民党県連推薦=は、佐々木氏に一歩及ばず、涙をのんだ。
現職が歴代
最多の5選
知事選
任期満了に伴う県知事選も9月3日に投開票が行われ、無所属の現職・達増拓也氏(59)=盛岡市、4期=が33万6502票を得て、無所属の新人・千葉絢子氏(45)=同=を10万4387票差で破り、歴代知事として初の5選を飾った。投票率は56・63%となり、前回選を3・17ポイント上回った。
定数2減16議席かけ19人立候補
陸前高田市議選
任期満了に伴う陸前高田市議会議員選挙(定数16)は9月3日、投開票が行われ、現職13人、新人3人が当選した。今選挙には19人が立候補し、現職2人、新人1人が涙をのんだ。投票率は76・25%と前回選比で0・66ポイント下がり、同市議選史上2番目の低さとなった。
あわや定数割れ担い手不足際立つ
住田町議選
任期満了に伴う住田町議選(定数12)は、早期に勇退を表明する現職がいた一方、新人擁立の動きは鈍く、告示間際まで同町議選史上初の定数割れへの危機感をはらんだまま推移した。
直前で、勇退を決めていた最年長現職が出馬の意向に転じたことでからくも定数割れは回避されたが、3期連続の無投票となり、深刻化するなり手不足が浮き彫りとなった。
(文中年齢は当時)