魅力向上へファムトリップ 滝観洞や周辺で 旅行業者らが入洞体験

▲ 滝観洞内部などを巡ったファムトリップ参加者たち

 住田町上有住の滝観洞を管理する住田観光開発㈱(松田栄社長)は22日、来春の滝観洞観光センター受付棟新築オープンに向け、旅行・観光関係者を招いてファムトリップを開催した。ファムトリップは、観光誘致促進のため、ターゲットとする国の旅行事業者やメディアなどに現地を視察してもらうツアー。参加者らに滝観洞や、新ガイドコースとして公開予定の第3洞窟(白蓮洞支道)で地底の神秘を体験してもらい、新施設オープン後の誘客促進に向けて体験コースの磨き上げを図った。(清水辰彦)

 

 同社が運営する滝観洞観光センターは現在、町による受付棟の新築工事が行われており、来年4月から供用開始される予定。
 来年度から新施設の指定管理を担う同社では、オープンに合わせて滝観洞とその周辺の魅力を発信し、国内外からのさらなる誘客を図ろうと、観光庁による本年度の「インバウンドの地方誘客や消費拡大に向けた観光コンテンツ造成支援事業」の採択を受け、第3洞窟を本格的なケイビング(洞窟探検)を楽しめる新たなガイドコースとして選定。これまでに地域事業者や一般を対象としたモニターツアーも行いながら、ガイドコースのブラッシュアップを進めてきた。
 この日は旅行会社や、探検家で日本ケイビング連盟会長を務める吉田勝次さん、観光関係者ら計8人と、公開後にガイドを務める住田観光開発の千葉孝文専務らが参加した。
 はじめに一行は、滝観洞内で一般入洞時には開放していない場所を巡り、光の入らない空間を体験。昼食後、滝観洞と白蓮洞(現在閉鎖中)に続いて新たにコースに加わる第3洞窟に移動した。
 気仙川を挟んで滝観洞の対岸に位置する第3洞窟。縦方向に道が続く滝観洞と違い、奥部には左右に広いドームのような空間が広がっており、珍しい鍾乳石や洞窟サンゴ、幅1㍍ほどのクレバス、透き通った「地底湖」なども見られる。
 一行は入り口付近からロープを使って降下したあと洞窟内を探検し、30㌢ほどの高さの穴を泥だらけになりながら地面をはって進んだり、帰路で岩登りをしたりと、滝観洞よりもさらに本格的なケイビングを体験。
 参加した旅行業者からは「ツアーの中に滝観洞も組み込めれば」「広く紹介したい」といった感想が挙がり、体験コースは好評を得ていた。このほか、「ガイドのさらなる充実を」といった声も寄せられた。
 千葉専務は「初めて入洞した方にも楽しいと言ってもらえているので、さらに必要な部分をブラッシュアップし、いい体験コースを提供していきたい」と話していた。