滝観洞観光センター新施設 今年4月、供用開始へ 期待高まる〝北の玄関口〟

▲ 今年4月の供用開始を目指して工事が進められている新施設

 住田町の誇る観光地・滝観洞。長い年月をかけて形成されたこの鍾乳洞は、日本最大級の落差を誇る「天の岩戸の滝」などで知られ、県内外からの多くの来訪者でにぎわう住田の〝北の玄関口〟だ。現在、滝観洞の受付施設は町による新築工事が行われており、今年4月のオープンを目指している。新施設整備による周辺を含めた滝観洞観光のさらなる活性化と、沿岸地域への誘客波及に期待が高まる。

 

 上有住にある滝観洞は日本有数の洞内滝を有する鍾乳洞で、昭和41年に洞窟開きが行われて以来、名物「滝流し蕎麦」などを提供する滝観洞観光センターとともに、町内有数の観光資源として位置付けられている。
 滝観洞は全長3635㍍、高低差115㍍にもおよぶ国内屈指の鍾乳洞で、洞部にはライトアップされた鍾乳石が輝き、ダイナミックな造形の岩肌や地下水などによる神秘的な光景が続く。洞口から約880㍍地点には高さ約60㍍に及ぶドーム型の空間があり、その天井部の裂け目から落差29㍍の「天の岩戸の滝」が注ぐ。
 町では、滝観洞やその周辺の魅力的な環境づくりを通じて持続的な観光振興を実現することを目的として、老朽化した関連施設の再整備計画案作成を邑サポートに委託し、令和2年度に計画が策定された。計画ではハード・ソフト両面で段階的に整備を図っていくこととしており、3年度に新施設の基本設計・実施設計が行われ、4年度に旧受付棟の解体が完了。昨年、新施設の工事が着工し、建設が進められている。
 新施設の設計業務は、3年10月の公募型プロポーザルを経て、「おらいの滝観洞」として、「人が集いやすらぎを感じる施設に」と提案したアトリエハレトケ(長崎辰哉代表取締役)・武山大樹建築設計事務所(武山大樹代表)共同企業体が担当した。
 新施設の延べ床面積は155・02平方㍍で、地場産の木材を積極的に使用。2階建ての施設の1階には物販スペースや受付カウンターなど、2階には食堂や滝観洞の名物「滝流し蕎麦」の体験スペース、テラスの整備を計画している。
 新築工事は住田住宅産業㈱が施工。契約金額は1億2320万円(税込み)で、工期は今年3月25日までの予定。

 ☆リニューアルポイント
◎外からは食堂や「滝流し蕎麦」体験スペースを見通すことができ、道路から見た際の圧迫感が軽減されて親しみやすい外観となる。管理者側にとっても死角が少なく、安全で安心な運営ができる「利用者の顔が見える施設」だ。
◎食堂は、滝観洞の自然を目いっぱい感じることができる開放感のある空間に生まれ変わる。
◎「滝流し蕎麦」体験スペースは、心地よさを感じる半屋外の軒下空間になる。

食堂のイメージ図

滝流し蕎麦のイメージ図

新施設外観のイメージ図