〝お得〟体感で活気創出 商業施設や商店街 初売りイベント多彩に 抽選企画の出足早く手応えも

▲ 今年も活気を呼んだサン・リアの「二百本引き」

 大船渡市の商業施設や各商店街は、今年も2日を中心に初売りの多彩な企画で買い物客を迎えた。新型コロナウイルスの影響が落ち着いた一方、物価高騰などを受けて商業分野では厳しさが続く中、消費者が〝お得感〟を直接楽しめる抽選企画では、例年よりも出足が早く、活気が生まれた。店舗関係者は慌ただしさに追われながらも、さらに買い物客が訪れ、商品購入以外でも楽しめる企画づくりへの意欲を高めていた。(佐藤 壮)

 

商店街関係者と買い物客が交流を深めたさかり中央通り商店街振興組合の抽選会

 大船渡市内の地元資本大型店は、2日の初売りでほぼ足並みがそろった。この時期としては穏やかな日となり、開店前から列ができた。
 盛町のサン・リアでは、恒例の「新春運試し二百本引き」を実施。参加料1回5000円で、昨年に続き末等を500円上乗せの5500円とし、特賞は昨年に続いて5万円分のギフトカードを用意した。
 開店約1時間前の午前8時から列ができ、開店から10分ほどで200人に到達。番号カードの裏側に賞が記入してあり、サン・リア関係者がすぐに確認し、景気づけの鐘の音が鳴り響いた。同7時半ごろから並び、特賞を当てた買い物客は「並んだかいがあった」と語り、笑顔を見せた。
 事務局では「二百本引きは、必ず1割以上得をすることが広まり、出足が早くなっているのではないか」と分析。抽選を終えた買い物客が店内を巡り、福袋商品を購入する姿も目立った。
 6日は、お笑いコンビ・ジョイマンによるライブを午後1時と同3時に開催。7日(日)と8日(月・祝)には、3000円以上の買い物客を対象に、指定した重さ分のスーパーボールをすくうとギフトカードが当たるなど、楽しみながら〝お得感〟を提供する企画で盛り上げる。

初売り企画が好評を博したセットアップキャッセン大船渡店

 一方、昨年7月にオープンした軽自動車専門店などを展開する㈲セットアップ(佐藤恵司代表取締役)の新店舗「セットアップキャッセン大船渡店」では、2~4日に初売りセールを開催。100台以上を「初売り価格」で販売し、成約者にはスタッドレスタイヤとアルミホイールのプレゼントを用意し、さらに福袋や現金つかみ取りなどで活気を呼び込んだ。
 初日から店内の商談スペースが埋まり、にぎわいが広がった。佐藤代表取締役(49)は「この場所が浸透し、既存のお客さんに支えられているうえに、展示台数が多いことで新規の来店も増え、買い取りの取引も多い。今後もわくわく感を届け、楽しい店づくりを」と話していた。
 また、さかり中央通り商店街振興組合(古内一二理事長)による抽選会は2日、古内電器商会隣の屋外で実施。参加店で2000円以上を購入すると抽選に参加でき、続々と地域住民が訪れた。
 7割以上の確率で当たる米や商品券といった目玉賞品が評判を呼び、抽選目当てで買い物に訪れる姿も少なくない。商品が当たると、組合関係者とともに笑顔を交わした。
 古内理事長(68)は「天気がよく、出足が良かった。今までは新型コロナウイルスの影響でなかなかイベントができなかったが、組合も50周年を迎えるので記念行事などを考えたい」と、活気創出を見据える。
 物価高騰などで消費行動が冷え込み、地域経済にも暗い影を落としている中、商業関係者は初売りを弾みとした上向きに期待を込める。新生おおふなと商店会(伊東修代表)による「歳末・新春セール」は10日(水)まで、市内約60店舗で実施中。特賞に現金10万円を用意する目玉企画の「新春大抽選」をはじめ、セールによる効果を多方面に広げようと、今月の対象期間を伸ばし、来訪と消費を促している。