地域振興へ意欲新た 上有住五葉地区 「いわて中山間賞」受賞
令和6年1月13日付 1面

住田町上有住の五葉地区が、いわて農林水産振興協議会(会長・達増拓也知事)と県による本年度の「いわて中山間賞」を受賞した。同地区が取り組む遊休農地の活用や世代間交流、地域づくりなど多様な活動が高く評価されたもので、関係者はさらなる活動の充実と地域振興に向け気持ちを新たにしている。
同賞は、県内の中山間地域において地域の個性を生かした活性化の取り組みを行い、成果を挙げている集落等を表彰するもの。本年度は五葉地区のみが受賞し、9日に盛岡市の県民会館で開かれた「いわて農林水産躍進大会」で同地区公民館の藤井洋治館長(74)が達増知事から賞状を受け取った。
同地区では、運動会や盆踊り大会、文化祭など地域を挙げたイベントを年間を通じて開催。多くの地域住民が積極的に参加し、コミュニティーが維持・継承されている。。
平成29年には、地域発展や課題解決を目的とする住民組織・五葉地域づくり委員会が発足。遊休農地を活用して住民がサツマイモの植え付け・収穫を体験し、収穫したサツマイモをジャムに加工したり、地域の未利用資源だったイタヤカエデの樹液を採取して「メープルサイダー」を製造するなど、地域の特産品開発にも積極的に取り組んでいる。
また、同30年に開校し、五葉地区にある古民家を学舎に改修して地域の歴史文化に光を当てながら町内外で講習機会を創出している一般社団法人文化政策・まちづくり学校(通称・ふるさと創生大学)とも連携し、田植えや稲刈り体験、気仙川での川遊びなど自然を生かしたイベントも開催。各種イベントには地域内外から多くの人が参加し、世代間・地域間交流も生まれている。
同地区では今後、女性や高齢者、学生など多様な世代の参画による特産品の開発や、ふるさと創生大学との連携強化によるイベントの企画・開催を展開していく考え。
受賞を受け、藤井館長は「『五葉地区』という名で賞をいただき、地区全体の地域づくりへの取り組みが評価されてうれしい。今後もさまざまな活動を通じて、五葉地区の魅力を発信して地域活性化を図りたい」と話している。