おしゃれでおいしい甘酒どうぞ 陸前高田に専門店開業 女性2人が共同経営 チャレンジシ ョップに入店
令和6年1月19日付 6面

神奈川県鎌倉市に本店を構える甘酒専門店「AMAZAKE STAND(アマザケ・スタンド)」の新店舗が、陸前高田市高田町の市チャレンジショップにオープンした。経営するのは小西莉絵さん(32)=大船渡市出身=と、三橋英里子さん(30)=神奈川県出身=の若き女性2人。ゆかりのある気仙に念願の出店を果たした。甘酒のイメージを覆すおしゃれなラインアップで魅力を発信していく。(高橋 信)

甘酒ホイップが特徴の商品
「甘酒を日常に、そして世界へ」という壮大な夢を詰めた広さ16・5平方㍍の小さな店が、13日に船出した。鎌倉本店、仙台店に続く3店舗目。オープン初日は、小西さんの親せきや知り合いが次々と訪れ、開業を祝う笑顔に包まれた。
ブドウ糖とアミノ酸が含まれ、その効能から「飲む点滴」とも呼ばれる甘酒。アマザケスタンドは米こうじ甘酒を取り扱い、原料には本県産の「あきたこまち」と、気仙町の㈲小島麹店のこうじを使用している。
丁寧に低温発酵させて造った自家製が売り。いずれも無添加で、砂糖を使っていない。陸前高田店では「アサイー」や「黒ごまバナナ」「ピスタチオ」など約10種類を店頭販売し、それぞれホットとアイスを選べる。プレーンを除く甘酒の上には口当たり柔らかで、優しい甘さの「甘酒ホイップ」がのり、〝インスタ映え〟するドリンクとしても人気を集めそうだ。
2人は令和元年の大みそかに、鎌倉本店をオープン。もともと神奈川の民間会社で一緒に働いており、互いに「飲食関係の店を持つ」という夢があった。
漠然と描いていたビジョンを明確にさせたのが、「生甘酒」との出合いだった。三橋さんは秋田を訪れた際、それまで苦手だった生甘酒を味わい、そのおいしさに衝撃を受けたという。「このおいしさを広めたい」と提案すると、小西さんも同時期に偶然、京都でおいしい米こうじ甘酒に出合っていた。
甘酒には酒かすと米こうじの2種類があり、歴史や効能も奥深いことを学び、さらにとりこになった。「互いに20代で勢いだけはあったんです。『もうやるしかないよね』となって」。会社を退職し、共同経営の道を歩み出した。
三橋さんは「甘酒は健康によく、お子さまから年配の方まで安全・安心に味わえるのが魅力。日常的に味わっていただき、特に地元の人には小島麹店の素晴らしさも商品を通じて伝えたい。ぜひ来店してほしい」と呼びかける。
陸前高田店は当面、小西さん一人で切り盛りする。高田高出身の小西さんは「東日本大震災を経験し、地元に貢献したいという思いはずっとあった。多くの人の支えとご縁で店を持つ夢がかない、幸せな気持ちだが、スタート地点に立っただけ。陸前高田、気仙の名産品にもなるよう頑張りたい」と決意する。
営業日は水~土曜日で、時間は午前11時~午後3時。店の電話番号は、080・6607・8612。