ニューイヤー駅伝で力走 大船渡市出身・熊谷選手(プレス工業) 都道府県駅伝本県代表にも 「頑張る姿見せ恩返しを」

▲ 初のニューイヤー駅伝で5区を力走する熊谷選手(本人提供)

 今月1日に群馬県前橋市で開かれた第68回全日本実業団対抗駅伝競走大会(ニューイヤー駅伝)に、プレス工業㈱(本社・神奈川県)陸上競技部に所属する熊谷真澄選手(25)=大船渡市三陸町越喜来出身=が出場した。入社3年目にして、初めて実業団駅伝の最高峰の舞台に挑み、「目標としていた大会で走れたことは一つ収穫。次の目標に向けてトレーニングを重ねていきたい」とさらなる飛躍を誓っている。
 熊谷選手は、越喜来小・中、高田高を経て東京国際大に進学。同大4年時には、箱根駅伝の復路8区を走り、伝統校のたすきをつないだ。
 大学卒業後の進路にプレス工業を選び、陸上競技部に所属。「仕事と陸上の両立」をスローガンに掲げるチームで、ほかの選手たちと切磋琢磨しながらレベルアップに励んでいる。チーム内には、日本や世界で戦うレベルの選手もおり、「競争も激しく、刺激を受けている」と語る。
 熊谷選手は、昨年11月の東日本実業団対抗駅伝競走大会で6区を走り、同社の4年ぶりのニューイヤー駅伝出場権獲得に貢献。本番では7区間(100㌔)で2番目に長い5区(15・8㌔)を任された。
 「初のニューイヤー駅伝で、チャレンジャーの気持ちで挑んだ」と、24位でたすきを受け取ったが、最大7㍍の向かい風の中でのレースとなり、32位まで順位を下げ、後続に託した。「ずっと向かい風、横風で走らなければならず、本当にタフなレースだった。自分のリズムを出せず、ほろ苦いデビューになった」と唇をかんだ。
 ニューイヤー駅伝を前に、熊谷選手も公認アスリートとなっている「大船渡アスリート応援団」から、1本の応援動画が届いた。「母校の越喜来小、高田高、大船渡の陸上関係者から激励のメッセージをいただいた。応援されている実感が走る力になり、本当にありがたかった」と感謝する。
 また、熊谷選手は21日(日)に広島県で開かれる「天皇盃第29回全国都道府県対抗男子駅伝競走大会」の本県代表メンバーにも選出。高校3年生以来2度目の選出となり、当日は出走が見込まれる。「本番は中高生選手もたすきをつなぐので、まずは力を精いっぱい出し切りたい。そして、これから陸上を続けていく世代が、自分の走りを見て、実業団を目指すきっかけにしたり、いい影響、刺激を与えることにつながればいい」と期待を込める。
 駅伝に加え、5000㍍や1万㍍などの長距離種目に取り組み、「競技をやるからには、大きな目標を持ち、いずれは日本選手権を目指したい」と見据える熊谷選手。「自分が走る姿、頑張る姿を見せることで、地元やお世話になった方々に恩返しの気持ちを伝えられれば」と意気込んでいる。