基準月額は5190円 来年度からの介護保険料案 現行比で90円減額に
令和6年1月27日付 1面

大船渡市は、令和6年度から3年間を期間とする市高齢者福祉計画・第9期介護保険計画案をまとめた。65歳以上が対象となる第1号被保険者の介護保険料(基準月額)は5190円で、現行比90円(1・7%)の減額。これまで積み増してきた介護給付費準備基金を約3億円取り崩すなどして、2期連続で前期保険料を下回る内容となった。
同計画は、少子高齢化の進行など情勢に基づいた介護需要を見込んでサービスの提供体制を整備し、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう各種施策の方向性や介護保険料を定めるもの。介護保険制度が始まった平成12年以降、3年ごとに策定される。
案によると、基本理念は「地域のみんなで支え合い いきいきと暮らせるまち 大船渡」。基本目標には▽健康づくりと生きがいづくりの推進▽安心して暮らせる生活環境の充実▽地域での暮らしを支える体制の整備▽包括的な支援の推進▽安定した介護保険制度の運営──からなり、各項目に沿った15の基本施策を掲げる。
令和6年以降の人口は減少し、65歳以上の第1号保険者も減るが、64歳以下の人口減の割合が大きく、高齢化率は上昇。令和5年は39・4%だが、7年には39・7%となる。
5年の要支援と要介護の認定者数は2410人で、翌年度以降は微減傾向に。介護給付費は36億円台が続くとみられる中、これまで積み立ててきた介護給付費準備基金を3億1300万円取り崩し、保険料の負担軽減を図る。第8期中も取り崩す計画だったが実際は見送られ、4年度末残高は約8億6000万円となっている。
第8期までの保険料は、国の標準に合わせて所得別に9段階に分けていたが、国が低所得者層の保険料軽減などを目的に段階を細分化したことから、市も第9期から13段階とする。標準額が前期を下回るのは2期連続だが、細分化によって高所得者層では保険料上昇も考えられるという。
また、計画では、介護保険サービスの充実として、8年度に三陸町吉浜地区に認知症対応型共同生活介護(グループホーム、定員9人)を1施設設ける方針が盛り込まれた。
第9期計画案は、26日の市議会全員協議会で説明。30日(火)から住民意見を受け付け、来月22日(木)の市ささえあい長寿推進協議会(書面開催)などでも議論する。
所得段階別介護保険料案は別掲。