母国料理提供のカフェ開業 タイ出身の清水ワラーラットさん マッサージ店内に併設

▲ 「料理を食べてタイのことをもっと知ってもらいたい」。従業員と一緒に来店を呼びかける清水さん㊧

 タイ出身で、陸前高田市高田町でタイ古式マッサージ店「BeHappy(ビーハッピー)」を営む清水ワラーラットさん(40)が、母国料理を提供するカフェを同店内にオープンさせた。地域の人にタイについて興味を持ってもらおうと、夢だった飲食事業に乗り出した。「いろいろな国籍の人が気軽に集まり、交流できる場にしたい」と腕まくりする。(高橋 信)

 

「交流の場にしたい」

 

 カフェはマッサージ室を店内の別室に移して開設。1月下旬にオープンした。定番のグリーンカレー、トムヤムクン、ガパオライス、マッサマンカレーなど多彩なラインアップの中から、日替わりで1、2種類(デザート付き)を提供する。
 お香のエスニックな香りが広がる店内。4人がけの座敷テーブル5卓が置かれ、タイ製のインテリアが所狭しと並ぶ。「みんなをタイに連れて行きたい」という清水さんの願いから、「Welcome to THAILAND」と書かれた首都バンコクの夜景や、飛び立つ飛行機を映したポスターも掲示した。
 清水さんを含め、市内に住むタイ出身の3人体制で、カフェとマッサージの2部門を展開していく。
 「ビーちゃん」の愛称で親しまれる清水さん。親せきが営む千葉県のマッサージ店での勤務を経て、平成25年、結婚を機に陸前高田市に転居し、念願の自分の店を開いた。
 お手頃な価格でタイマッサージを受けられるとあって、地元内外にファンを持つ。「今があるのはタイの原点があるから」と、幼少期から両親と離れて暮らした自身の経験を踏まえ、親がいない子どもらが通うタイの教育施設を支援する活動にも取り組んでいる。
 ひそかに描いていたもう一つの夢が「タイ料理を地域の人に食べてもらうこと」。祖父母がタイで営んでいた飲食店の手伝いをして育ち、「いつか自分も」という思いを持ち続けてきた。
 「陸前高田はとても大好きなまち。つらい時いつも味方でいてくれて、支えてもらっている地域の人たちには感謝の気持ちでいっぱい」と清水さん。「料理は本格的というより家庭的な味。気軽に来て食べてもらい、タイに関心を持つきっかけにしてほしい」と話す。
 カフェの営業日は、火・木・土・日曜日の午前10時30分~午後6時30分。テイクアウトも可能。電話番号は070・2227・1427。