プロ目指し挑戦の一歩 FCサン・アルタス大船渡の西條選手(盛小3年) 埼玉県の強豪チーム入団へ 「チームのストライカーに」

▲ プロ選手の夢に向かって新たな一歩を踏み出す西條選手

 大船渡市のFCサン・アルタス大船渡に所属する西條凪人選手(盛小3年)はこの春、埼玉県八潮市の強豪サッカーチーム・レジスタFCに入団し、活動する。小学3年生にして、プロ選手を夢見て下した大きな決断。家族やアルタスの仲間、指導者らへの感謝を胸に「アルタスでの練習も生かしてサッカーを頑張りたい」と、挑戦の一歩を踏み出す。
 4歳頃からアルタスのスクールでサッカーを始めた西條選手。小学2年生から本格的にのめり込み、練習や試合などで技術向上に励んでいる。
 プロ選手の夢を強く意識するきっかけとなったのは、昨年1月に大船渡市で開かれたU―10サッカー交流大会「Winter Cup2023」。第1回大会から参加している鹿島アントラーズのスクールチームと対戦し、大敗を喫した。J1クラブの下部組織でプレーする選手のレベルの高さを目の当たりにしたことが刺激となり、「セレクションを受けたい」と志願した。
 昨年9月から行われたセレクションでは、約100人が参加した中、自主練習などで磨いた技術を発揮し、最終選考の10人に選ばれたが、惜しくも落選。悔しさで涙を流したというが、この経験が西條選手の心に火をつけ、もう一つの候補に挙げていた、過去に全国大会で何度も優勝経験のある強豪・レジスタFCの練習会に参加し、その実力と才能が認められ、入団が決まった。
 西條選手の武器はスピードを生かしたドリブルで、「セレクションや練習会でも通用すると実感した」と自信をつけた。「まだうまくできないトレーニングもあったので、入団までに練習して、技術のレベルを上げたい」と意気込む。
 入団に合わせて、家族4人で関東に移住し、レベルの高い環境に飛び込む西條選手を支える。調理師免許を持つ母・仁美さん(35)は「スポーツには食事が大切と聞き、食生活をはじめとしたあらゆる面でサポートしていく」と話す。
 アルタスでも上級生と一緒に練習するなどして力をつけてきた。池田淳監督(55)は「厳しい環境に自ら飛び込む姿勢はとても立派。ゆっくりでも一歩一歩成長して、いずれは全国で活躍する選手になってほしい」と期待を込める。
 憧れの選手に、日本代表の久保建英選手(スペイン・レアルソシエダ)と三笘薫選手(イングランド・ブライトン)の名前を挙げ、「スピードのあるドリブルで、得点もアシストもできるストライカーになりたい」と目標を語る西條選手。「自分のために、家族で引っ越して応援してもらうので、感謝の気持ちを忘れず、良い時も悪い時も、どんな時でも一生懸命サッカーに打ち込みたい」と決意を新たにしている。