熱い思い 後輩につなぐ けんか七夕太鼓 気仙小で引き継ぎ式(別写真あり)

▲ 引き継ぎ式で熱演を披露する6年生

 陸前高田市気仙町の気仙小学校(佐藤健校長、児童54人)で9日、児童が毎年取り組んでいる芸能「けんか七夕太鼓」の引き継ぎ式が行われた。6年生11人が小学校生活最後の演奏で3年間の集大成を発揮し、伝統の芸能にかける熱い思いを後輩たちに引き継いだ。
 同校では、地元のおよそ900年の歴史があるとされる伝統行事「けんか七夕」の太鼓や笛のおはやしを児童が練習。地元の指導者を招いて演奏技術を高め、学習発表会や地域行事などで披露している。
 引き継ぎ式は、最高学年が同校伝統の太鼓演奏を下級生につなぐ恒例行事。全校児童に加え、保護者ら40人も児童らの演奏を見守った。
 はじめに演奏したのは6年生。力強いかけ声とともに、迫力に満ちた太鼓の音を響かせ、特訓の成果が表れた息の合ったパフォーマンスで会場の人々に感動を届けた。
 次いで、思いを引き継いだ後輩が演奏を披露。5年生と、昨年12月から先輩に教わりながら練習を重ねてきた4年生がチームとなって演奏し、6年生への感謝も伝えた。
 講評では、太鼓演奏の指導者の菅野剛さん(74)が児童らの演奏をたたえ、「太鼓も勉強も何でも、一生懸命にやれば必ず上手になる」と、ますますの成長に期待した。
 吉田想さん(6年)は「今までで一番いい演奏ができた。けんか七夕は、とてもきれいな音色だけでなく、礼儀や声がけも大事。後輩たちには、教わったけんか七夕太鼓をさらに進化させ、たたき続けてほしい」と願っていた。