地域の特色生かし健康増進 全11地区で「まつり」 市など主催 来年度も実施
令和6年2月12日付 7面

陸前高田市と市健康づくり推進協議会(会長・阿部啓二県立高田病院長)は本年度、市内11カ所で地区健康まつりを開いた。各地域の特色を生かした取り組みを通じ、市民の健康づくりを推進しようと本年度始めた新たな試みで、11地区合わせて約550人の市民らが参加した。地域の健康増進に貢献する関係者が企画・運営に当たり、官民一体となった多彩な活動を展開。好評の声を踏まえ、市は来年度も実施する方針だ。(高橋 信)
地区健康まつりは昨年8月から12月にかけて、11ある地区コミュニティセンター単位で開催された。市によると、地区別の参加者数は▽矢作41人▽生出43人▽下矢作27人▽横田57人▽竹駒34人▽長部73人▽今泉48人▽高田71人▽米崎51人▽小友51人▽広田53人──だった。
企画・運営には、地域性を熟知している市民らに協力を依頼し、各行政区に配置されている保健推進員のほか、コミュニティ推進協議会や食生活改善推進員協議会の役員、民生・児童委員らが参画。いずれも数回の企画会議を重ね、内容を練った。
小友町ではコミセンに配備されているニュースポーツ用品を活用し、参加者が和やかに体を動かした。横田町ではコミセン隣に保育園が立地することから、3~5歳児を招いて高齢者と子どもたちによる世代間交流を図った。
大半の地区で健康講話を行い、地区ごとにニーズを確かめたうえ、県立高田病院の医師や地元開業医、民間会社の栄養士らを講師に招いた。
市は「はまってけらいん、かだってけらいん(仲間に入って、話しましょう)運動(通称・はまかだ)」を合言葉に、健康づくりや共生社会構築に向けた事業を展開している。
これまでは年に1回、「健康のつどい」を開いてきたが、同イベントとは別に、地区ごとの催しも追加して健康な暮らしの実現を図ろうと、地区健康まつりを企画。健康のつどいは今月、「介護予防ふりかえり交流会」など別の市行事三つと併催し、「はまかだ交流会」というイベント名で開かれた。
市保健課保健係の蒲生惠美係長は「年に1回の行事だけでは、参加者が関係者に限定される傾向にあったが、身近な場所で開催することで、より多くの人に参加していただけたと受け止めている。日頃、地域住民の見守りなどに当たる地域の方々に運営などで携わってもらったのが大きい。気軽に集まり、つながり合う雰囲気を醸成していくためにも来年度も地区単位で実施し、活動を通じてまち全体の健康につなげたい」と見据える。