経済と子育てに軸足 市議会3月定例会が開会 渕上市長が施政方針演述
令和6年2月17日付 1面
大船渡市議会定例会は16日に開会し、渕上清市長が施政方針演述を行った。市内経済の基盤を固めながら、子どもを産み、育てる幸せを実感できる環境確保への意欲を示したうえで、自身が一昨年の選挙時から掲げる「未来への三本柱」を強調。市民、事業者、地域、職員と対話を重ねて施策推進に取り組む姿勢も掲げた。当局は、一般会計に201億円を計上した新年度予算案など議案63件を提出した。(佐藤 壮)
渕上市長の演述は、1時間余りにわたって行われた。冒頭、能登半島地震犠牲者に哀悼の意を示したうえで「被災地に対し、見舞金をはじめとするさまざまな支援を実施しているが、今後もニーズに応じて可能な限り行っていく」と語った。
新型コロナウイルスの影響が落ち着き、社会経済活動が正常化しつつある一方、ロシアのウクライナ侵攻に端を発した原油価格・物価高騰に触れ、市民生活や企業活動への負担長期化を指摘。引き続き、消費喚起や地域経済活性化を進める姿勢を掲げた。
今後の展望としては、三陸沿岸道路の完成や大船渡駅周辺の中心市街地の活用などで新たな交流やにぎわいの可能性が広がる半面、人口減少や少子高齢化に対応した施策、持続可能な行財政執行体制の確立を課題に挙げた。そのうえで、市内経済の基盤を固め、子どもを産み、育てる幸せを実感できる環境の確保に軸足を置く姿勢を掲げた。
新年度予算は、歳入規模に見合った財政運営への転換を目指しつつ、限られた行政経営資源を最大限活用するよう編成。「徹底した収納対策や、ふるさと納税の一層の拡充などによる自主財源の確保とともに、市債の有効活用や基金の適正管理に努め、施策の選択と集中、事務事業の廃止・縮小を図り、事務事業を着実に推進する」と語った。
主要施策は、市総合計画の大綱に沿って説明。このうち「豊かな市民生活を実現する産業の振興」では、市デジタル田園都市国家構想総合戦略の着実な推進を基本とした地場企業の振興、起業・第二創業などにチャレンジできる環境づくり、地域経済の成長を支える人材育成などを強調した。デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進による生産性の向上、若者の地元定着の促進に意欲を見せた。
「安心が確保されたまちづくりの推進」では、地区運営組織の実践活動支援や、サン・リア2階に整備する市こども家庭センター(仮称)など子ども・子育て支援の充実を掲げた。さらに市内における地域医療全体のあり方や方向性などについて議論する「検討の場」を設け、持続可能な地域医療提供体制の確保に向けた取り組みを進める方向性も示した。
「自然豊かな環境の保全と創造」では、ごみの適正処理策に言及。プラスチック廃棄物の分別収集・再商品化に向け、7年度から住田町を含めた広域によるペットボトル分別収集を目指すとし、6年度は準備期間としてごみ排出方法の周知や分別などを促す。
最後に「目まぐるしく変化する時代において、将来にわたり市民が喜びと幸せ、いわゆる『ウェルビーイング』を感じながらこの地で暮らし続けられるよう、市民や事業者、地域、職員と対話を重ね、力を合わせながら、各種施策の推進に取り組む」と力を込めた。
続いて、小松伸也教育長が所信表明。教育施策の基本方針に「豊かな心を育む人づくりの推進」を挙げ、市長部局が所管する文化・スポーツをはじめとする各種施策との連携を図りながら、学校教育や生涯学習、伝統文化など各分野の施策を積極的に展開する姿勢を掲げた。
また、物価高騰による学校給食食材費の値上がりに触れ「高騰分を市が負担し、保護者の負担を抑制する」と説明。学校施設の長寿命化に関しては「大船渡中校舎の劣化診断や、盛小のプールサイド改修に向けた設計などを行っていく」とした。
初日の本会議では、議案説明なども行われた。今後の日程次の通り。
▽17~21日=休会▽22日=本会議(議案審議)▽23日~27日=休会▽28、29日=一般質問▽3月1~3日=休会▽4日=一般質問▽5、6日=休会▽7、8日=予算審査特別委員会▽9~13日=休会▽14日=本会議(議案審議)






