伝統の思い 音で託す 米崎小の「重倉太鼓」 引き継ぎ・ 打ち納め式(動画、別写真あり)
令和6年2月21日付 3面
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陸前高田市立米崎小学校(佐々木一義校長、児童137人)で20日、同校の芸能「重倉太鼓」の引き継ぎ式と打ち納め式が行われた。打ち納め式では6年生が取り組みの集大成を披露し、30年余りにわたり引き継がれる取り組みへの熱い思いを音に込めて後輩たちに託した。
重倉太鼓は、平成4年に「児童が郷土や学校に誇りを持てる取り組みをもとう」というPTA関係者らの思いから誕生。米崎町の青年会が中心となって創作し、4~6年生が演奏活動に臨んでいる。
引き継ぎ式に向け、昨年12月から練習が本格化。5年生20人は4年生27人に『一番太鼓』を、6年生22人は5年生に『二番太鼓』を指導。地元の重倉太鼓育成後援会(新沼幸男会長)による技術指導も受けながら、休み時間や総合的な学習の時間を使って練習に励んできた。
この日は、4、5年生が新しく覚えた曲を演奏する「引き継ぎ式」(同校主催)と、6年生が最後の演奏を披露する「打ち納め式」(同後援会主催)を実施。児童と教員に加え、同後援会の指導員や児童の保護者ら約50人も来校した。
引き継ぎ式では、4、5年生それぞれが先輩や指導員から教わったことを生かして演奏。途中、リズムが崩れそうな場面があっても立て直し、最後まで威勢良い響きを保ちながらたたき切った。
続いての打ち納め式では、伝統の装束を身につけた6年生が2曲続けて演奏。安定感のあるテンポや、音量の強弱、かけ声にも練習の成果が表れる息の合った発表に、聴衆から大きな拍手が送られた。
新沼会長は「米崎小の歴史の一ページとなるすばらしい演奏だった。心を響かせる太鼓を使った文化活動をこれからもぜひ続けてもらいたい」と期待。
覚張成海さん(6年)は「練習時間は少なかったけど、本番の演奏はうまくいった。後輩には、声をもっと出すなどより良い演奏を目指し、頑張ってほしい」とエールを送っていた。