一般会計は169・5億円 市が6年度当初予算案発表 現年度比で7・1%増 6年ぶり増加に転じる
令和6年2月21日付 1面
陸前高田市は20日、令和6年度の各種会計当初予算案を発表した。一般会計は169億5000万円。現年度当初比11億2300万円(7・1%)増と、平成30年度当初以来6年ぶりに増加に転じた。新規事業は36事業計11億231万円で、企業立地促進補助金3億円、旧矢作小解体工事費2億4068万円などが盛り込まれている。予算案は21日開会の市議会3月定例会に提出される。(高橋 信)
歳入の自主財源は64億2300万円(構成比37・9%)、依存財源が105億2700万円(同62・1%)。自主財源の構成比は、現年度当初比3・2ポイント増となった。
自主財源のうち、市税は現年度当初比0・1%増の18億6908万円。依存財源のうち、地方交付税は同1・6%減の53億2207万円で、市債は同30・8%増の11億3200万円。市債の増は、陸前高田を含む県内10消防本部の消防指令業務を集約する「いわて消防指令センター」の整備事業債などが主な要因となっている。
財政調整基金は約8億円を取り崩し、6年度末残高は約51億円となる見通し。市債残高は現年度末比318万円減の121億7070万円とほぼ横ばいで、市民1人当たりの借金は69万円。プライマリーバランス(基礎的財政収支)は、7259万円の黒字を維持している。
歳出を目的別に見ると、多い順に総務費42億6372万円(現年度当初比15・1%増)、民生費36億9149万円(同3・5%増)、土木費22億8891万円(同8・2%減)、衛生費12億2723万円(同22・0%増)など。
性質別では、義務的経費が53億9538万円(現年度当初比4・3%増)で、内訳は人件費24億367万円(同5・9%増)、扶助費17億8713万円(同6・3%増)、公債費12億459万円(同1・5%減)。投資的経費は同18・6%増の22億5050万円となる。
新規事業のうち、立地促進補助金3億円は、竹駒町滝の里に大型の物流センターを整備している総合ユニホームアパレルメーカーの㈱ボンマックスに対して交付する。物流センターは本年度内の完成、7月の稼働を計画しているといい、衣料品を入出荷する一大物流拠点となる。
矢作町二又地区にある旧矢作小校舎は学校統合に伴い、平成23年春に空き校舎となり、25年4月から簡易宿泊所「二又復興交流センター」として運用。閉鎖後は市有物資の倉庫などとして使っていたが、6年度に体育館とともに2億4068万円を投じて解体する。年度内に工事を終え、市は跡地の活用策を地域とともに検討する。
県立高田高の国際交流事業として、友好都市の米クレセントシティ市への派遣交流補助金を創設する。児童公園整備を見据えた検討会議も立ち上げることとし、関連経費を盛り込んでいる。
一般会計当初予算は、震災前の22年度が約113億円、23年度が約108億円。24年度は復旧・復興事業関連で約660億円に膨らみ、25年度は約1019億円。26年度に約1293億円とピークに達した。
27年度は約1195億円で、28年度以降は600~800億円台で推移。令和元年度は732億2100万円(前年度当初比18・2%減)で、それ以降毎年減額が続き、ハード復旧にほぼめどがついた3年度は183億円と同72・6%の大幅減となった。
4年度は170億600万円(同7・5%減)、5年度は158億2700万円(同6・9%減)。6年度は多額の費用を要する事業が重なったため増加に転じた。
6年度当初の歳入、歳出の内訳は別掲の通り。