心通わす「むすびの旗」 盛小でワークショップ 谷中小(東京)と合同で制作 東京藝術大学生らが指導(別写真あり)

▲ 「むすびの旗」の制作に参加した盛小の2年生らと東京藝術大学の学生、教員ら

 大船渡市立盛小学校(今野忠頼校長、児童118人)で21日、東京藝術大学美術学部による「むすびの旗ワークショップ」が開かれた。同市と東京都台東区立谷中小学校(増嶋広曜校長)の児童らが、協力して一つの大漁旗を完成させる取り組みで、同日は盛小の2年生18人が、まっさらな旗に〝花〟をカラフルに描き、遠く離れた友達と心を通わせ合った。         (菅野弘大)

 

 むすびの旗は、大船渡市内の小学校と谷中小が毎年度共同で制作しているもの。各校の児童が自分の地域をイメージした色やモチーフをデザインし、縦2㍍、横3㍍ほどの大漁旗を作ることで、心を通じ合わせている。
 制作プロジェクトは、同学部デザイン科の藤崎圭一郎教授(61)とテクニカルインストラクターの丸山素直さん(40)を中心に、東日本大震災の復興支援の意味も込めて平成26年度にスタート。市内の保育園や小学校と谷中小が合同で続けており、コロナ禍で休止した期間もあったが、昨年度から盛小が参加している。
 この日は、藤崎教授と丸山さん、院生、学生らが盛小を訪問。「大船渡の花を咲かせよう」とのテーマで行われたワークショップでは、児童らが思い思いに切り出した型紙を使い、ステンシルアートの要領で旗に花を描いた。
 6班に分かれた児童らは、円や直角、波線など自由な発想で型紙を作ったあと、真っ白な旗に花の形になるようにテープで貼り付け、その上から6色の絵の具を丁寧に塗った。型紙をはがすと、さまざまな花びらの形が映える〝世界に一つだけの花〟が完成。担当した花の出来栄えを確認し、うれしそうな笑顔を見せた。
 赤色の花を担当した盛小の及川紡希さんは「スポンジで色を塗るのが楽しかった。絵が成功して良かった」と声を弾ませ、指導にあたった同大の那須響さん(学部2年)は「小学生ならではの豊かな発想で、無邪気に作業している姿に元気をもらった。この旗に谷中小児童のパワーを加えて、子どもたちの力あふれる作品にしたい」と見据えた。
 盛小児童が描いた旗は、来月に谷中小で開かれる同様のワークショップで児童らが手を加え、作品として完成する予定。
 藤崎教授は「みんなの想像力があれば、いろんなものに見えてくるし、みんなの力が集まれば、面白いものがたくさんできる。それぞれの個性を伸ばして、いい大人になってほしい」と成長に期待していた。