海中転落事故に注意を 大船渡警察署 漁港などで広報啓発活動

▲ 漁港関係者らに啓発チラシを配布し注意を呼びかける大船渡署員ら=細浦漁港

 大船渡警察署(永澤幸雄署長)は23日、気仙両市で海中転落事故に注意を呼びかける広報活動を実施した。県内で同様の死亡事故が多発していることを受けてのもので、署員らが港湾道路利用者や漁港関係者らにチラシを配り、海のそばでの安全運転意識の高揚を促した。
 県内における海中転落死亡事故は、令和5年までの過去5年間で7件発生。大船渡署管内では、3年に大船渡町の大船渡漁港、5年に末崎町の細浦漁港で1件ずつ起きており、今年に入ってからは、1月に大船渡市三陸町越喜来の越喜来漁港で軽トラックが転落し、2人が死亡する事故があった。今月15日には、同署や交通安全関係者らが死亡事故現場の点検を行い、こうした事故に歯止めをかけるべく意見を交換した。
 23日の活動は、海中転落事故が発生する可能性がある沿岸地域の各署で実施。県警察本部が作成した「交通安全カレンダー」によると、2月中、下旬の時期に交通事故が多くなる傾向にあり、3連休の初日で人出も増えることを想定し、ドライバーらに安全運転を促す機会にも位置づけた。
 大船渡署では同日、午前中に細浦漁港、午後に陸前高田市広田町内で活動を展開。このうち、同漁港での活動には同署交通課、港交番、末崎駐在所から4人が出動し、漁港関係者や釣り人らにチラシを配布して事故防止を啓発した。同漁港では昨年3月に、高齢男性が運転する軽トラックが海に転落、死亡する事故が発生しており、チラシを受け取った人たちも、悲惨な事故を起こさないように気を引き締めた様子だった。
 活動にあたった同署交通課の阿部克史交通企画係長は「海に不用意に近づかないことや、海のそばにおいては、アクセル、ブレーキの確認と徐行の意識を持ち、慎重な運転を心がけてほしい。警察としても、関係機関と連携して、漁港関係者や釣り人への広報啓発活動を行い、死亡事故防止に努める」と話していた。