「次期」に向け課題共有 町総合計画推進委員会 住民アンケート結果公表

▲ 委員らが住民アンケートの結果について意見を交わした

 住田町の本年度第2回総合計画推進委員会(委員長・大杉覚東京都立大学教授)は22日夜、町役場で開かれた。6年度で町総合計画が最終年度を迎える中、住民を対象に行った事業評価等アンケートの結果から浮かび上がった課題などを共有。来年度から本格化する次期計画の策定を見据え、委員らが町内の課題解決、住みよい町の実現に向けて意見・アイデアを出し合った。(清水辰彦)

 

 現在の町総合計画は、2年度から6年度まで5カ年の施策の方向性を定めたもの。国の「まち・ひと・しごと創生法」に基づいて国から策定を要請された「地方版総合戦略」と一体になっている。
 委員は有識者や医療・福祉、町民代表、産業、金融など各関係者の計17人で構成。本年度最終の委員会には、委員13人が出席した。
 神田謙一町長、大杉委員長のあいさつに続いて協議に移り、町側がこのほど行ったアンケート結果について説明した。
 アンケートは昨年12月15日時点で18歳~74歳までの住民を無作為抽出し、人口の4割に当たる1138人に送付。回答者は422人(37・1%)だった。
 結果を見ると、「現在の住田町の住みやすさ」という質問では、「住みやすい」が9・5%(令和4年度比3・6ポイント減)、「どちらかといえば住みやすい」が39・3%(同6・9ポイント減)と、いずれも前年度から減少した。
 「どちらかといえば住みにくい」は38・2%(同8・5ポイント増)、「住みにくい」は11・1%(同3・5ポイント増)となり、「住みやすい」と「住みにくい」が拮抗する結果となった。
 「住みやすい」「どちらかといえば住みやすい」と回答した理由は、「川や緑などの自然」「安心して生活できる」「ふれあいや連帯感がある」などが多かった。
 一方で、「住みにくい」「どちらかといえば住みにくい」の理由として突出していたのは、「買い物が不便」との回答で、町内の店舗が減ったことが主な要因とみられる。次いで「医療の充実具合」「道路や交通の便が悪い」など医療体制、交通利便性が住みにくさの理由として挙げられた。
 町の取り組みに対する満足度は、全体では「健康づくりの推進」「高齢者福祉」など健康・福祉・介護分野が上位に。その半面、「妊娠から出産までの支援」「結婚支援」「農業の担い手支援」「医療環境・体制の整備」については重要度に対して満足度が低く、今後のまちづくりに向けてはこれらの充実が求められていることが浮かび上がった。
 次期計画の計画期間や構成の案に関しては、期間を令和7年度から11年度までの5カ年とし、人口ビジョン含む基本構想、KPI(重要業績評価指標)や地方版総合戦略を含んだ基本計画、実施計画で構成することも示された。
 委員からは、「行政にとって重要でも町民の重要度が低いものについては、その施策の必要性を理解してもらう必要もある」「アンケートの対象は18歳から74歳となっていたが、まちの将来を考えれば小中高生の意見も必要だし、公民館活動に多く携わっている75歳以上の声も拾ったほうがいいのではないか」との声が寄せられた。
 このほか、買い物場所の重要性、住民活動における「負担感」と「連帯感」のバランスに関する意見も挙がった。
 次期計画の策定作業は、新年度から本格化する。